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「…Aちゃん、まさか記憶が戻って…？」
「うん…やっぱりそうだ。オスマンだよ、ね…って、わっ」
「…はぁ〜〜、ほんま…ほんま、良かったぁ…」
この日を、この時を、その笑顔を、どれだけ長い間待ち望んでいたことか。気づけば
「く、苦しいよー…」
「あぁごめんごめん、つい嬉しくなっちゃって…俺の事以外はどう？他に思い出した事はある？」
「どうだろ…というか、そもそも今ってどういう状態なの…？」
先程までの他人行儀な眼差しは拭えたものの、まだ不安の色が微かに残っている。これ以上その暗闇に染まらぬよう、落ち着きを取り戻すように息をつき姿勢を正す。するとそのタイミングを見計らったのか、部屋の入口から一気に何かが雪崩れ込むように騒音をかき鳴らした。
「Aちゃん！大丈夫か、マンちゃんに襲われてない！？」
「記憶思い出したってほんまか！？」
「…盗み聞きしとったんか。君らまだ帰ってなかったん？てか何、襲うって」
「ごめんね。連れて帰ろうと思ったんだけど、言うこと聞かなくて」
「いい歳して…ガキじゃないんすから」
「君達！一応病室なんだから、静かにしてや！」
「…っていうしんぺいの声も五月蠅いわ」
静かだった空間が一気に賑わい、医務室とは思えない明るさに満ちている。突然の事に驚いてしまったのか、Aちゃんは呆けた面持ちのまま、その様子を眺めていた。すると騒々しさを今度は掻き消すように、彼女の凛とした声が俺達の耳に届いた。
「…鬱先生、ロボロ」
「「…へ？」」
「ひとらんらん。ショッピ。しんぺい神。兄さん……合ってる、かな？」
「──うん、大正解」
真っすぐな眼差しで順々に視線を合わせる。相変わらず優しさの籠った所作はとても居心地が良く、おかげで先程までとは打って変わり各々静かに喜びを嚙みしめていた。そこへもうひとつ、扉をノックする音が響き陰からひとり顔をのぞかせる。
「すまん遅くなった…Aの記憶が戻ったってほんまか？」
「！トントン、ちょうどええ所に！ほら、こっちやこっち」
「お…おう」
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にゃむ吉(プロフ) - 狛狐さん» メッセージありがとうございます！前作の頃も、書いている途中は読み応えのあるものがつくれているのか不安だったのですが、涙する程の作品となったことをとても誇らしく思います。ぜひまたの機会にご感想伺いたいです！今後ともよろしくお願いいたします (2021年11月30日 7時) (
レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
狛狐(プロフ) - 儚さと力強さを感じさせてくれるとても素敵なお話で終始涙が止まりませんでした…今も泣いてます…長々とすみません、、もっと沢山素敵ポイントをお伝えしたいのですが文字数的にもここで我慢しておきます…これからも応援させて下さい。更新楽しみにしております (2021年11月30日 3時) (レス) id: f8a7d6fbdd (このIDを非表示/違反報告)
狛狐(プロフ) - 最初は転生前（前作）の題名に惹かれ読み始めたのですが稀に見る良作過ぎて一気にここまで読み進めてしまいました……文章の組み方や言葉遣い、表現の仕方などがとても心に刺さり1話を何度も読み返してしまうほど大好きです。なによりも内容が素敵すぎる…… (2021年11月30日 3時) (レス) @page21 id: f8a7d6fbdd (このIDを非表示/違反報告)
にゃむ吉(プロフ) - とぴあさん» メッセージありがとうございます！涙流されるほどのインパクトをつくることができ、とても光栄です…まだまだ先は長いのですが、読んでくださった分を無駄にしないよう、より気持ちを込めて執筆しようと思います。引き続きよろしくお願いいたします！ (2021年10月12日 7時) (レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
とぴあ - 一気に読み進めていたら、思わず涙が出てきてしまいました……。自分でもびっくりしているのですが、きっと作者様の文章が素晴らしかったからです。読んでいてこんなに幸せな気持ちになれる作品は初めてです。続編でも更新ぜひ頑張ってください。 (2021年10月12日 0時) (レス) @page5 id: 9545a37ffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃむ吉 | 作成日時：2021年10月1日 17時
