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整った顔立ちから似合わぬ暴言が聞こえたような、そうでないような。誤魔化すように咳払いをした彼は、申し訳なさそうに視線を外しながら私を解放してくれた。その横顔が視界に映った途端、またも映像と音声が流れ脳を揺さぶる。回数を重ねる毎に鮮明さを増す一方で、心なしか息苦しさも増してきたようにも思える。
「っ、…ごめんなさい、私行きますね」
「あ、ちょっと…！」
込み上げる不快感に煽られ、お礼も儘ならないまま逃げるようにその場から小走りに飛び出す。先程は機敏な反応した彼も不意を食らったようで、何とか静止の声を振り切ることができた。とはいえ無闇に惑えばまた"誰か"に会うかもしれない。そう思考を巡らせた中で導き出したのは、今の私にとって心の拠り所とも呼べる場所であった。
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────…
「…三枝さん、いらっしゃいますか…？」
向かった先は図書館の一画にある司書室。その内一室は三枝さんが日中作業をする部屋であり、以前一度だけ訪れた事があった。もしかしたら彼ならこの不可解な状況を客観的に判断してくれるかもしれない。そう淡い期待を抱き向かうも、何故か部屋の扉は開放されたまま、部屋の主人も不在のようであった。このまま留守番も兼ねて部屋で待たせてもらうか、それとも…そう思い更けていたその時。背後にある部屋の入口から気配が現れた。
「──…え？」
「…！すみません、勝手にお邪魔し…て……？」
「お前…A、か…？」
振り返った視線の先にいたのは見知らぬ男性。きっとここの関係者であろう彼へ無断で立ち入った事を謝罪しようとするも、長い前髪から覗くその瞳は大きく揺れ、何故か声も震えていた。そしてまたも耳にしたのは、伝えた覚えのない私の名前。見知らぬ存在から急に発せられれば不審感を抱くはずのそれは、相変わらず妙な納得感を伴っている。そう、彼との一連の行動はまるで…"旧友との感動の再会"かのよう。
「なんで…私の、名前…」
「A…！おれ、お前に酷い事してもうて…！」
『──お前、何でここにおるんや？』
「…え」
『はっ、次の標的はエーミールにするってか？…お前、ふざけるのも大概にせえよ』
「(なに、これ…)」
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にゃむ吉(プロフ) - 狛狐さん» メッセージありがとうございます！前作の頃も、書いている途中は読み応えのあるものがつくれているのか不安だったのですが、涙する程の作品となったことをとても誇らしく思います。ぜひまたの機会にご感想伺いたいです！今後ともよろしくお願いいたします (2021年11月30日 7時) (
レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
狛狐(プロフ) - 儚さと力強さを感じさせてくれるとても素敵なお話で終始涙が止まりませんでした…今も泣いてます…長々とすみません、、もっと沢山素敵ポイントをお伝えしたいのですが文字数的にもここで我慢しておきます…これからも応援させて下さい。更新楽しみにしております (2021年11月30日 3時) (レス) id: f8a7d6fbdd (このIDを非表示/違反報告)
狛狐(プロフ) - 最初は転生前（前作）の題名に惹かれ読み始めたのですが稀に見る良作過ぎて一気にここまで読み進めてしまいました……文章の組み方や言葉遣い、表現の仕方などがとても心に刺さり1話を何度も読み返してしまうほど大好きです。なによりも内容が素敵すぎる…… (2021年11月30日 3時) (レス) @page21 id: f8a7d6fbdd (このIDを非表示/違反報告)
にゃむ吉(プロフ) - とぴあさん» メッセージありがとうございます！涙流されるほどのインパクトをつくることができ、とても光栄です…まだまだ先は長いのですが、読んでくださった分を無駄にしないよう、より気持ちを込めて執筆しようと思います。引き続きよろしくお願いいたします！ (2021年10月12日 7時) (レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
とぴあ - 一気に読み進めていたら、思わず涙が出てきてしまいました……。自分でもびっくりしているのですが、きっと作者様の文章が素晴らしかったからです。読んでいてこんなに幸せな気持ちになれる作品は初めてです。続編でも更新ぜひ頑張ってください。 (2021年10月12日 0時) (レス) @page5 id: 9545a37ffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃむ吉 | 作成日時：2021年10月1日 17時
