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「…俺な、昔Aにこの髪を褒めてもらった事があんねん。"自分と違って綺麗だ"って」
「そうなん？…Aも十分綺麗やったと思うけど」
「ふふ、俺も同じこと聞いたわ。そしたらな、"お手入れして努力しているから"って。俺、手入れとかしてないから、それが羨ましかったらしいねん」
「あー、なるほどね」
「……
「……」
正直な話、他人を慰めるのは得意ではない。諜報活動で色んな役柄を演じるせいか、人と真正面に向く事に苦手意識があった。けれどそれも気づけば…彼女と過ごす中で、少しずつ様変わりしていった気がする。
『…あ、兄さんや』
『おー、久しぶり』
『ほんといつ会っても見た目変わらんね、羨ましい』
『Aは…まあ言うまでもないか』
『おいコラ、殴られたいんか？』
『ほら、大きいのも大変っていうし…それくらいがええんちゃう？んじゃまた』
『あ、ちょっと！やっぱ一発殴らせろー！』
『やだよ〜』
諜報班という仕事柄、軍所属の兵士は勿論、同級の職位とはいえ幹部の皆とすら会う機会は少ない。それ故にあまり自ら人と深く関わりを持とうと思わなかった…はずやった。だけど、彼女だけは違った。はじめは男社会で生きる存在に物珍しさを感じたのかと思ったけど、やがて彼女の異常なあまりの自己犠牲が目に留まったのだと気づいたんや。俺はそれを危険だと思う反面…俺にはないその熱が、少し羨ましくもあったよ。
「…Aが隠すのが上手かっただけやで。シャオロンが悩む必要なんてない」
「そう…なんかな」
「せやで。だからほら、いつまでも落ち込んでるなら部下の一人でも鍛えてきいや。…Aに負けない程の、立派な兵士をさ」
そう問いかけると、顔を俯かせていたシャオロンはぱっとこちらを見上げ、少し嬉しそうに頷いてくれた。これはきっとシャオロンだからできる役目であって、俺も俺なりにできる役目があるはずや。あの子が残してくれた選択肢を、ひとつでも多く未来に…皆で繋げる役目が。
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にゃむ吉(プロフ) - アイリさん» コメントありがとうございます。主人公の心情・状況を丁寧に表現したくこのような手法をとりました。少しでも楽しみのひとつになれたのなら幸いです… (2022年6月5日 17時) (
レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - ちゃんと日記のとこ漢字かけなくてひらがなになっていくの好きやわ… (2022年6月4日 22時) (レス) @page20 id: 018c1614bc (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - にゃむ吉さん» 了解です。意図的でしたのなら、口を挟んで申し訳ないです。これからも応援させていただきます。頑張ってください( *˙ω˙*)و ｸﾞｯ! (2022年3月19日 18時) (レス) id: 00820fe97a (このIDを非表示/違反報告)
にゃむ吉(プロフ) - ウイさん» メッセージありがとうございます。指摘いただいた内容については当初は意図した表記だったのですが、読み直すと確かに違和感もありましたので伝えたいニュアンスを含め修正しました。引き続きよろしくお願いいたします。 (2022年3月19日 7時) (レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - 気になったのでご指摘させて頂きます。ps(分かりますか？)のセリフで『あり？』という物がありまして、『あれ？』では無いのかなと思いました。何か意図的にやっているなら申し訳ないですが気になったのでコメント失礼しました。今後も頑張ってください (2022年3月19日 7時) (レス) @page32 id: 00820fe97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃむ吉 | 作成日時：2021年7月16日 16時
