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「"──どうか貴方達の道に、幸多からん事を…"」
「…はぁ…はぁ……」
一目散に走ってきた先で俺を待っていたのは、アイツの…Aの執務室。戦闘の傷もまともに癒せぬまま、全力で走ってきたせいで流石に息が上がってしもうた。しかしそんな暇ない、早く確認しないと。勢いのまま、鍵のかかっていない扉を勢いよく開ける。すると…目の前には信じ難い光景が晒されておった。
「…なんで…なんで何も残っとらんのや…！！」
その部屋は形跡どころか、元から主など居なかったとでも言いたいかのような…備え付けの家具だけが残された殺風景な様。度々訪れる度に目にした書類も書籍も、日常生活に必要な物すら全て。嫌でも悲しく辛い現実を突きつけられているような衝撃が襲い掛かる。そんな折、ここまでの道中でインカム越しに耳にしたマンちゃんの声によって、いつの間にか隠れていた記憶を引き摺りだされた。
『A！構ってぇや』
『…ゾム、自分の分の書類はどうしたの？あと窓からじゃなくて、ドアから入ってきてね？』
『大先生に押し付けてきた！』
『あ〜…今なら未来透視できるわ…』
『なぁなぁ、早く訓練場行こうやぁ』
『君の目は節穴かな？？この書類の山見えないのかな？？』
『あれ、何でAの方が量多いん？』
『ほんま、何でやろなぁ？？』
書類だろうと訓練だろうと、どんなに仕事を抱えていようと俺のちょっかいにもその他皆の要望にも、何だかんだ応えてくれる。そんな懐の広さに甘えてばっかやった。ここに来てから一番世話になったのはAかもしれへん…それなのに、俺は自分勝手に彼女を突き放してしもうた。恩を仇で返すって、このことを言うんやろな。
そうしてひとり部屋の中で思い更けていると、ふと入口にもうひとりの気配が増える。俺を心配して急いで追いかけてくれたのか、静かながらも少し息が上がっとるようやった。
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にゃむ吉(プロフ) - アイリさん» コメントありがとうございます。主人公の心情・状況を丁寧に表現したくこのような手法をとりました。少しでも楽しみのひとつになれたのなら幸いです… (2022年6月5日 17時) (
レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - ちゃんと日記のとこ漢字かけなくてひらがなになっていくの好きやわ… (2022年6月4日 22時) (レス) @page20 id: 018c1614bc (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - にゃむ吉さん» 了解です。意図的でしたのなら、口を挟んで申し訳ないです。これからも応援させていただきます。頑張ってください( *˙ω˙*)و ｸﾞｯ! (2022年3月19日 18時) (レス) id: 00820fe97a (このIDを非表示/違反報告)
にゃむ吉(プロフ) - ウイさん» メッセージありがとうございます。指摘いただいた内容については当初は意図した表記だったのですが、読み直すと確かに違和感もありましたので伝えたいニュアンスを含め修正しました。引き続きよろしくお願いいたします。 (2022年3月19日 7時) (レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - 気になったのでご指摘させて頂きます。ps(分かりますか？)のセリフで『あり？』という物がありまして、『あれ？』では無いのかなと思いました。何か意図的にやっているなら申し訳ないですが気になったのでコメント失礼しました。今後も頑張ってください (2022年3月19日 7時) (レス) @page32 id: 00820fe97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃむ吉 | 作成日時：2021年7月16日 16時
