双葉【アイドリッシュセブン】 (ページ37)

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環side

『じつはわたし、双子の弟がいたんです』

“いた”ってことは、今はもういないのかな。

知らなかったけど、うーたんにも兄弟いたんだな。

『その子は、アイドルみたいになるのが夢でした。
一応事務所にもスカウトされたことがあって、
でも弟はその時病気だったので、
まともに病室からも出られない状況でした。
そんな時に声をかけた男がいたんです』

話を聞くと、金は払うから一緒に来て欲しいって言われたんだって。

でもうーたんは弟を治したいためについて行ったんだって。

『わたしはその人のおかげで
アイドルの試験を受ける権利を得たんだけど、
弟は……………容体が急変してそのまま…』

うーたんの弟は、ここにはもういない。

ここまで心配してたってことは、本当に大好きだったんだ。

俺……………何をしてるんだろうって思った。

俺にはまだ妹に会える権利があるのに対して

うーたんは、大好きな弟には二度と会えない。

『今はいなくて寂しいと思うけど、きっと会える。
家に戻ってこなかったとしても、必ず会えるから。
わたしみたいに悲しい思いはしてほしくないしね』

寂しそうな笑顔で笑ううーたんが、俺よりも大人に見えた。

15歳……………俺よりも二つ年下だ。

なのに、こんなに背中が大きく感じんのはなんでだろう……………。