双葉【アイドリッシュセブン】 (ページ23)

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一応お客様なのでお茶を持って行く。

コンコン

『ごめんね、急に。お茶持ってきたよ。陸と天の分ね。
わたし邪魔だから行くね。じゃ、』

天｢待って｣

腕を掴まれ、せっかくなので一緒に話したいという。

わたしは邪魔にならないかまた聞いたけど

むしろいてほしいと言われ、その場に座った。

天｢陸、好きな子いる?｣

陸｢え?｣

『天、もしかして恋人でもいるの?』

天｢僕の恋人は、ファンのみんなだよ｣

わたしと、考え方が一緒だ。

一緒というか、わたしはそう思うようにしているだけ。

恋愛に関してかなり疎いからな、わたし。

天｢羽樂は?｣

『天と一緒の考えだった。
まずわたし恋人なんかできないと思うんだ。
こういう職業っていうのもあるけど、
そういうのにかなり疎いっていうんもあるしさ』

天｢そっか。でも、今はまだそのままのほうがいいと思う。
ファンと交わした約束は決して破らない。
アイドルであるのならば、当然のことだよ｣

陸｢“約束”?｣

『コンサートチケット。そこに行って、
ファンのために笑顔で全力を尽くす約束。
そうですよね、センパイ?』

アイドルの先輩としてそう呼んでみただけなのに、

少しだけ悲しそうな顔をしたのはなんでなんだろう。

天｢陸は一生懸命ないい子だよ。だからこそ、
走れなかった弟のことは忘れて、キミのことをライバルだと認めた。
だけど、この前のライブとリハで確信した。
陸にこの仕事は向いてない。陸も陸のファンも不幸になるだけだ｣

『天、やめて。陸はあなたを追いかけるためにアイドルになった。
身体がどうとか関係ない。これ以上陸を追い詰めるなら怒るよ』

天｢羽樂……………｣