スノードロップ。 Takahiro.H ページ31
人はいつでも、色んなことを考えて、悩んでいる。
1人で解決できる時もあれば、誰かの助けが必要な場合もある。
そんな、誰かの助けが必要な時。
話を聞いてあげることがとても重要なことやって。
だからそういう時に誰かに寄り添える人になりなさい。
そう、昔おばあちゃんから教えてもらって、その考えがめっちゃ好きで
そういうことを仕事に出来ないかと考えて心理カウンセラー、という仕事を選んだ。
なかなか大変やけど、誰かのために、少しでも力になれるなら。
そう思えば全く苦ではない。むしろやりがいしかない。
素敵な仕事に出会えたと感じてる。
��｢Aさん、こんばんは｣
｢崇裕さんっ! こんばんは、いらっしゃいませ｣
��｢カフェラテ、ホットでください〜。お花...おまかせで!｣
｢はぁい、ちょっとまっててくださいね〜｣
そんな俺も、一人の人間なわけで。
悩んだり、考えたり...頭を抱えることだってある。
そういう時、気持ちをリセットするために《なないろ》に来るのが習慣になってた。
勿論、なんでもない日にも来るんやけどね。
｢お待たせ致しました〜、カフェオレです｣
��｢お、ありがとうございます!｣
｢ごゆっくり! ...あ、崇裕さん、お花なんですけど...。実はちょっと可愛いお花が入ったんです｣
��｢そうなん? 気になる、どんな花?｣
｢いつもは切り花なんですけど...今回は鉢物なんです｣
��｢鉢物...、あ! だから今回カフェオレが先?｣
｢さすが、わかってますね。鉢物しか無かったのでどうしても先に出せなくて...。今持ってきます!｣
��｢おん、待っとるな〜｣
いつも俺が座るのは2人がけのテーブル席。
照史と淳太が座る、店の1番奥の席の1個手前の席。
Aさんはカフェオレを持ってきたあと、カウンターの向こう側、お店の裏口を出て
最近仕入れたのであろう鉢物を取りに行った。
なんやろ、楽しみやなぁ。
数分して、お店へ戻ってきたAさん。
お店の裏口の外は行ったことがないけど、Aさん曰く小さな温室があるんだとか。
そこでハーブを育てたり、観葉植物とか鉢物の手入れもしてるって前教えてくれた。
｢んーー、やっぱまだ外は寒いですね｣
��｢ああっ、寒い中ありがとうございますっ｣
｢いえっ、全然...!! お待たせしました!｣
そう言ったAさんが大事そうに抱えてきた鉢には、小さな可愛らしい白い花が沢山咲いていた。
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作者名：maoka. | 作成日時：2021年8月13日 23時
