＊＊＊＊＊ ページ30
桐｢ふふ、なんや懐かしいなぁ。七海ちゃんに会った時のこと思い出してしまったわ｣
｢懐かしいですね、、あの時だいぶ恥ずかしいこと沢山言った気がします...｣
桐｢そんなことあらへんよ、大丈夫って言葉にすごい救われたんやから｣
｢あの日のこと、すごく覚えてます。あの時の照史さんほんとにしんどそうだったから...声かけるか悩んだんですけど、少しでも力になれたのなら良かった｣
桐｢ははっ、俺そんな酷い顔してたんか〜｣
｢今はすごく素敵な笑顔ですよ｣
桐｢こら、そんなことサラッと言わんでや〜照れるやろ?｣
｢んふふ、だってほんとだも〜んっ♪｣
桐｢もー、叶わんわぁ｣
くすくす楽しそうに笑いながら洗い物を始めた七海ちゃん。
あの時の俺のグラグラな心は、簡単に崩れてしまうくらい極限だったのに。
ほんまに魔法みたいな七海ちゃんの｢大丈夫｣に救われて...
もう少し続けようって思って、次からの仕事を頑張ってた気がする。
今でも保育士を続けていて、しかも沢山の保護者の方から信頼して、頼って貰えるようになった。
特にパパさんのお力になれることが多いのか、よく相談にも乗るようになったし、、
ほんま、あの時やめなくてよかったわ。
桐｢...なぁ、七海ちゃん｣
｢はぁい?｣
桐｢俺...、このデルフィニウムみたいになれるやろか?｣
｢え...?｣
桐｢幸福、振りまけるかな｣
｢...もう十分なれてますよ｣
桐｢ほんま...?｣
｢少なくとも私は...照史さんから幸福貰ってますよ｣
桐｢そっか、、ありがとうな｣
｢...大丈夫、照史さんなら｣
桐｢ふはっ、...おん、そやな! 俺なら大丈夫よな!｣
｢ふふ、そうですよ! ポジティブな照史さんがいいです!｣
桐｢ありがとう、...A、ちゃん｣
｢えっ!?｣
桐｢...あ、ご、ごめん急に...やっぱ、｣
｢いいです! 七海じゃなくて...Aがいいです...!｣
桐｢ほんま...? ええの?｣
｢もちろん! これからも、よろしくお願いしますね、...照史くん｣
桐｢っ!? えっ!?｣
｢ふふ、...さ、片付け片付け〜♪｣
この後もしばらくAちゃんからの『照史くん』呼びには慣れんくて、にやにやして。
その度に淳太から｢お前きしょいで。｣と言われ続けた。
えーねん、小さな一歩でも。自分のペースで。
それが大事。
【デルフィニウム･シネンシス:あなたは幸福を振りまく】
デルフィニウム･シネンシス。 Akito.K 《Fin》
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：maoka. | 作成日時：2021年8月13日 23時
