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神｢実は今、店長やらないかって誘ってもらってるんです｣
｢えっ! 凄いじゃないですか!｣
神｢いや、嬉しいんよ、すごく...｣
｢...?｣
神｢でも、上に立てば自分はその店の雰囲気を崩さないように、自分のセンスや取り入れたいものは飲み込まなきゃいけない｣
｢なるほど、、｣
神｢七海さんは、このお店で自分の好きなものを俺らみたいにお店に来た人達に提供してるやん...?｣
｢そうですね、｣
神｢すごく憧れるんよ、俺も俺の好きなものを提供していけたら...って。でも、それを求めてくれる人っているんかなって思っちゃうんです...｣
｢そんなっ...｣
神｢なら、今の店のテイストを好きでいるお客さんに魅力を伝えながら...収入上げた方が...って思って...｣
｢.....そんなのっ、違います...!｣
神｢え...?｣
｢神山さんの好きなものは、伝えるべきです...! たしかに今のお店のものも素敵だと思います! ...でも! 私は...神山さんの好きなもの、もっと広めて欲しいです!｣
神｢七海さん...｣
｢上手く言えないですけど...、私は、自分の好きなものを人に伝えて行けるの、不安だけど嬉しいんです。だからね、神山さんも...やりたいこと、好きなもの、伝えたいことがあるなら諦めずにやるべきです｣
神｢...七海さん、俺...自分の好きなものに、自信もっていいんかな...?｣
｢もちろん!! 神山さんの好きなもの、私は見たい｣
混じり気のない、真っ直ぐな目でそう伝えてくれる彼女。
きっとこの話をする前から、自分の好きなことをしたいって思いはあって、ほぼ決めたようなもんで。
でもその、最後の一歩を踏み出す《勇気》がなくて...
その《勇気》を手に入れるために、背中を押して欲しかったんやなって、やっとわかった。
神｢七海さん、ありがとうございます...。俺、自分のお店やります! 好きなもの、伝えたいから...、だから、お店立ち上げた先輩として...アドバイスとか聞きに来ていいですか?｣
｢ふふ、もちろんっ...! いつでもいらしてください!｣
お話が終わったあとも、ゆっくり、アネモネの花とハーブティーを堪能して...。
23時前、家に着いてからアネモネの花を花瓶に生ける。
次はいつ行けるかな、なんて思って
スケジュール帳を確認して
その日は眠りについた―...。
【白いアネモネ:期待、希望】
白いアネモネ。 Tomohiro.K 《Fin》
**タイトルのお花を変えさせていただきました。
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作者名：maoka. | 作成日時：2021年8月13日 23時
