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重｢あ、あの〜...、お店、まだやってますか?｣
｢もちろんっ! はじめまして、ですよね。《なないろ》へようこそ｣
身長はきっと155cm前後。
歳は...俺より若そうやな。
初めて姿を見た時と同じ、ふわっと柔らかい笑顔の女性。
そんな笑顔に似合うふんわりした、真っ白じゃない...なんていうんかな、オフホワイト?のトップスにキャメル色のエプロン。
カフェの定員さんって感じやわ。
｢お好きな席、お座りくださいね〜｣
重｢あ、はい...｣
｢んふふ、緊張してます? そんなしなくて大丈夫ですよ、ここではゆったり、のんびりしてください｣
『今、メニューお持ちしますね』
そう言ってまた、カウンターの奥に消えていく彼女。
胸元のネームプレートには『ななみ』という字。
彼女は『ななみ』さんと言うらしい。
苗字なんか名前なんかわからんけど、可愛らしい見た目にピッタリの名前。
お好きな席、と言われたので...とりあえず、お店の入口から1番離れたカウンターの、バーガンディ色の席に座る。
5つあるカウンターの椅子はひとつひとつデザインが違うのに、統一感がある。
本当に店の雰囲気がええ。緊張してたけど、少しずつ落ち着いてきた。
自分から初めての店に入るなんてこと、今まで全くなくて。
ましてや、東京やぞ? 怖くて入られへんっちゅーねん。笑
でもなんでか、ここの店は初めて来た気がせんくらい居心地が既に良くなってきている。
ぐるっと、店内を見渡すと
俺の座った席の横に小さな、ガラスの扉が着いている棚のようなものがあった。
重｢...棚?｣
｢それ、キーパーっていうんですよ。冷蔵庫です｣
重｢おわ、びっくりした...｣
｢ああっ、ごめんなさいっ、驚かせてしまって...｣
重｢あ、いや、全然大丈夫っす｣
メニューを持ってきたであろう『ななみ』さんが、その棚のような木目調の冷蔵庫がキーパーだと教えてくれた。
｢このキーパーに、お花が入ってるんです｣
重｢あ、だからこの店お花の香りが...｣
｢あ、します? んふふ、うれしいなぁ...、と危ない危ないっ、長話するところでした...メニューどうぞ｣
重｢ありがとうございますっ｣
｢どうぞごゆっくり、またお伺いしますね｣
ふわっと笑った『ななみ』さん。
完全に癒し系の彼女にほっこり。
いい華金になりそうな予感。
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作者名：maoka. | 作成日時：2021年8月13日 23時
