マトリカリア。 Junta.N ページ8
｢...なるほど、それで珍しくいらっしゃったんですね...ご愁傷様です...｣
中｢そやねん、こんなにもサラッと振られ...っておいっ! まだ振られてへんわ! ただ残業になっちゃったから会えんくなっただけやし...｣
桐｢それは...振られてるんと同じやろ、残念やったな〜｣
｢...今日は少しサービスしてあげます。元気だして｣
七海ちゃんが照史とは反対側の肩をポン、と1回。
なんやこれ、慰められとる?
違う違う、俺は振られたんとちゃうからな!?
...―遡ること10分前。
友達との食事会で出会った女の子と連絡先を交換して...まぁそれなりに話も盛り上がって?
今度ご飯でも〜って話から日にちまで決めて...。
で。今日。
｢急に残業になっちゃって...｣って断りのLINEが来たわけで。
ドタキャンくらったから、って訳でもないんやけど、
最近行けてなかったからたまには行くか、って思って《なないろ》に来てみたら相変わらず癒し系の七海ちゃん...と照史。
久しぶりに顔出したからか、何があったんやと照史には騒がれ...、七海ちゃんには心配され...。
その誤解を晴らすために今までの話をざっくり話したわけなんやけど...。
中｢...え、そもそもやで? ドタキャン＝振られた、になるん!? その方程式成り立つとか聞いてないんやけど!?｣
桐｢成り立つ、というか...。俺ならダメかーって思ってまうなぁ｣
｢私も、諦めちゃいますね...｣
中｢まじか...｣
｢そ、そんな落ち込まずに...ね? ホットコーヒーと合うスイーツ食べて元気だしましょ!｣
桐｢そや! 元気だしーや
｢はぁい、少々お待ちください〜｣
今日は何がいいかな〜
なんて、きっと心の声漏れてる七海ちゃん。
照史も俺も、絶対にここに来たら頼むのが切り花。
俺は元々お花好きやから飲みもんと一緒に頼むんやけど、照史は前にここのお花と七海ちゃんに救われたことがあるんやとか。
まぁそれはまた、照史に詳しく聞きましょ。
桐｢は〜、今日も癒しやなぁ｣
中｢ほんまやね、心の声漏れちゃってるしな｣
桐｢やなぁ｣
中｢照史は相変わらずやな｣
桐｢ん〜? なにがぁ〜?｣
中｢七海ちゃんへの片想い?｣
桐｢ん゛っ!! ｺﾞﾎｯ...いきなりなに!?｣
図星だったのか、飲んでたコーヒー詰まらせてる照史。
ふ、面白い。笑
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作者名：maoka. | 作成日時：2021年8月13日 23時
