明くる年の秘め事 ページ28
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[Another side]
「あ、潤くん!お疲れ様です!」
いつも大人数で集まるような場所では、
俺たちの側を片時も離れずに
それこそ借りてきた猫のように
大人しく縮こまっている彼女が
途端に明るい声を上げて駆け出したので
自分も、周りにいたメンバーも
状況反射的に顔を上げて彼女と同じ言葉を繰り返した。
『お疲れ。この後
サウンドチェックと場当たりだよね』
「そうなんです、潤くんも見てくれますか?」
彼女が自分から進んで誰かに
話しかけるなんてことは殆ど無いのに、
小さな唇は嬉しそうにペラペラと言葉を並べて。
そういえば昔、ユニットと別に
一人でバックにつかせてもらったとかなんとか
言っていた様な気がする。
...へぇ、潤くんって呼んでるんだ。
『一個前のグループで少し打ち合わせするから
見れないと思うわ。』
ごめんと告げながらその頭をポンと撫でる松本くんに、
彼女が残念そうに口を結ぶ姿が
どうしようもないくらい胸を締め付けて。
うちじゃそんな顔しないよな、とか。
余計なことを考える。
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透(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます^^この作品で体調不良も吹っ飛ばせるように頑張りますので、お身体大事にしましょう◎ (2021年12月20日 15時) (レス) id: f1bc6ae231 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年12月16日 16時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:透 | 作成日時:2021年10月22日 15時