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悪魔の魔法[黒] ページ25

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「なんか今日のAエ 口いよね」

「っ、ごほっ、ちょ、めぐろ......!?」




彼の表現がどストレートなのは

いつものことなのだけど


なんのオブラートも無く

ましてや平日の真っ昼間から

そんなことを言われた途端には、

飲んでいたお茶を引き出してしまった。



そんな私を見て「汚ねぇっ」なんて

笑う顔はずいぶん幼い。

ていうか誰のせいで汚くなったと思ってるの。






「待って、なに急に。こわいから。」

「髪切ったっしょ」

「話聞いてる?目黒」






B型を存分に発揮しながら、

夏に向けて切ったばかりの襟足に


さらりと触れる冷たい指先は

やけにリアルで、何処か手慣れている。




こうやって今までも

色んな女の人に触れてきたのかな、

目黒ならちょっとあり得そうで、

ちょっとやだな...って。



勝手に落ち込んでいる自分に動揺した。






「すげー、めっちゃ揃ってんじゃん」

「...なんかやだ、触んないで」






手慣れてる目黒も嫌で、

こんな少しのことで動揺してる自分も嫌で。



なんでこんなこと考えてるの、

別に私にはなんの権利も無いのに。





彼の手を振り払おうとしたその瞬間、

息がひゅっと喉を通り抜けた。





「っ.......!!」

「あれ、ちょっと反応した?」






首筋に触れる冷たい指から

ありもしない魔法にかけられる。



びくっと震えた自分の体、知らない感覚、

声にならない声に戸惑って。



開いた瞳の奥で、ニヤリと楽しそうに

笑う顔はまるで悪魔みたい。





「や、だ」

「なに?聞こえない」

「ねぇ...っ」







試すような眼差しに首筋が

びりびり熱を持ち始めるから


なんとかその悪魔の腕を掴んで

キッと睨みつけた。




「弱点見つけたわ、勝ったなこれ」

「...大っ嫌い、っ」






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takkimakki(プロフ) - 初めまして!こちらのお話に出会い、引き込まれて読ませていただいています。綺麗な日本語と切ない描写に、大ファンになりました! (2023年2月17日 9時) (レス) @page30 id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - さん» コメントありがとうございます!更新頻度遅くなってしまって申し訳ないです!!ですが、私の都合上どうしても更新頻度字が偏ってしまうこともあるので、そういった点はご了承いただけますとありがたいです。ご意見ありがとうございます! (2021年6月30日 1時) (レス) id: c7653d64b7 (このIDを非表示/違反報告)
- こっちも更新してほしいです (2021年6月29日 13時) (レス) id: 7d0243170f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Ashitakaさん» はじめまして^^ コメントありがとうございます( ; _ ; )お話を書くときはいつも印象に残るような言葉遣いをイメージして描いていたので、そう言っていただけてとってもとっても嬉しいです^ ^ぜひたくさん読んでこの作品に浸っていただけたらなと思います!! (2021年6月17日 12時) (レス) id: c7653d64b7 (このIDを非表示/違反報告)
Ashitaka(プロフ) - はじめまして、今読んでいる真っ最中なのですが、ラウちゃんの「僕の届かない夜に連れていく」に胸がギュッと苦しくなり、思わずコメントをしてしまいました…。言葉ひとつひとつがとても素敵です。では、続きを読んで参ります…! (2021年6月16日 15時) (レス) id: ffdf66b49e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年6月10日 22時

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