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「誰がやった」
「「..... 」」
「お前らいい加減に......！！！」
「衣装くらい、
別にどうなったっていいんです」
明らかに先生の声色が変わった瞬間、
彼女が口を開いた。
夜の風のように、静かで、涼しい声だった。
「....ただ、こうすることでしか私を
追い詰められないと思ってる
この人たちの考え方に腹が立ちます。」
静かな声と裏腹に怒り満ちたその目は、
確かに俺たちをまっすぐに見据えていた。
「女だから女だから、ってそんなこと
言われる前にあんたらの何十倍、何百倍
こっちは努力してる自信がある。」
「そんなにこの顔が嫌？
この長い髪の毛が気に食わない？」
ふぅ、と一つ息を吐いた彼女が
今までに聞いたことのないくらいの
声量で捲し立てた。
「女だオンナだって、
いちいちうるさいんだよ！！！！！」
静まり返るリハ室で、秒針の音だけが
確かに時が進んでいることを証明していた。
「私だって..、どうせなら男が良かった。
ダンスもアクロバットも、
どうしたって力があんたらより足りない。
だから毎日死ぬ気で練習して、
ようやくここに立ってる。」
綺麗な瞳が、透明な滴で
覆われていくのが見える。
「....それでもまだ、足りないの...っ？」
そう言って彼女は、
ポケットからハサミを取り出して。
「A...ッ！！！」
細くて長い指が、その黒い髪を握りしめた。
ジョキ、と確かに音を立てて進む刃。
彼女の瞳から大きな宝石がこぼれ落ちる。
そしてすぐに悟った。
あぁ、俺らはきっとこの女の子には
一生、敵わないんだって。
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takkimakki(プロフ) - 初めまして！こちらのお話に出会い、引き込まれて読ませていただいています。綺麗な日本語と切ない描写に、大ファンになりました！ (2023年2月17日 9時) (
レス) @page30 id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - さん» コメントありがとうございます！更新頻度遅くなってしまって申し訳ないです！！ですが、私の都合上どうしても更新頻度字が偏ってしまうこともあるので、そういった点はご了承いただけますとありがたいです。ご意見ありがとうございます！ (2021年6月30日 1時) (レス) id: c7653d64b7 (このIDを非表示/違反報告)
- こっちも更新してほしいです (2021年6月29日 13時) (レス) id: 7d0243170f (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - Ashitakaさん» はじめまして^^ コメントありがとうございます( ; _ ; )お話を書くときはいつも印象に残るような言葉遣いをイメージして描いていたので、そう言っていただけてとってもとっても嬉しいです^ ^ぜひたくさん読んでこの作品に浸っていただけたらなと思います！！ (2021年6月17日 12時) (レス) id: c7653d64b7 (このIDを非表示/違反報告)
Ashitaka(プロフ) - はじめまして、今読んでいる真っ最中なのですが、ラウちゃんの「僕の届かない夜に連れていく」に胸がギュッと苦しくなり、思わずコメントをしてしまいました…。言葉ひとつひとつがとても素敵です。では、続きを読んで参ります…！ (2021年6月16日 15時) (レス) id: ffdf66b49e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透 | 作成日時：2021年6月10日 22時
