ep.70 ページ24
『寒い…』
ひとりポツンといる私。時刻はきっともう8時を過ぎてるだろう。ここは体育館倉庫。鍵がしまってる。
もちろん、抜け出せる窓もなく、ストーブなんてない。しかも今私はジャージだ。終わった。
『…こういうときに限って電池きれてるし。』
スマホもなにも役に立たない。
11月の中旬だからといって、寒くないことなんてない。いまにも凍え死にそうだ。
なんで私がこんなとこにいるかというと…
2時間前。
女子たちに呼ばれ、片付けを手伝っていたらとあるクラスの女子3人に呼び出された。
場所は体育館倉庫の真ん前。なんか嫌な予感はしたんだけど…まさか当たるなんて…
女子「道枝くんと別れて。」
『はっ？』
女子「アンタになんてつりあわないのよ。それに彼氏いるくせに西畑くんの応援もしやがって。」
うおー、なんか漫画でしかみたことない展開。ほんまにあるんや…と実感していたら。
女子「ここはいって。」
『え、いや。』
絶対入ったら閉められるやつやん！と思って首を横に振ると。
女子「調子にのんなよ！！」
バン！と思いっきり背中を蹴られて倉庫の中へすぐさま鍵を閉められる。嘘でしょ。
女子「一回罰受けろ〜笑」
女子「ヤバーイ！」
女子「大丈夫、明日朝迎えに来てあげるから！！あ、先生にいったらぶんなぐるからね！」
そういって女子たちがどこかへゆく。うわ、やった。
ということで今に至る。すでに二時間も過ぎてこの状態。死ぬかも。ガタガタ震えるし、助けを呼んでも私達が最後だったらしく誰もきやしない。
死んだ。そう強く思った。
『……菜月実、丈くん、大橋くん、正門くん、駿佑くん…………！』
会いたい、助けて。会いたい。
『大吾くん…！！』
ギュっと拳を握る。寒くてもう力がない。
そんなときだった。
ガチャン！！
大「Aちゃん！いる！？」
『大吾くん…』
外で大吾君の声がする。もしかして幻聴が聞こえだした？ヤバイかも…
大「Aちゃん！」
ううん、幻聴じゃない、いる。外にいる。私を探しに来てくれてる。もう声も出せないほど弱ってたけど振り絞って
『大吾くん！助けて！』
私は叫んだ。
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イヅキ - あまとさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです…！自分でも書ききれた達成感でいっぱいです。本当に読んでくださってありがとうございました。 (2022年10月21日 16時) (
レス) id: 072635462a (このIDを非表示/違反報告)
あまと(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも更新楽しみに読ませていただいてました。複雑な心模様が丁寧に描かれた惹き込まれる物語で、大好きな作品でした！今まで執筆お疲れ様でした。素敵な作品をありがとうございました！ (2022年10月19日 20時) (レス) @page50 id: 4e08d1fad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イヅキ | 作成日時：2022年8月7日 20時
