かっこいいよ【七尾太一】

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「Aチャン、放課後どこか行かないっスか？」

「えっ！？うん、いいよ…！」

放課後一緒に帰ろう、というお誘い。
断るわけがない。


「よかった！じゃあまた放課後ね！！」

にかっ、と笑って走り去っていく彼はやっぱり眩しくて。
好きだなぁって改めて思う。

頰杖をついてそんなことを考えていたら、友達にニヤニヤしすぎて気持ち悪いって言われた。


・




あっという間に放課後になって、彼が私の教室に来た。
迎えに来てくれたんだ、優しい。
私と目が合うと、笑顔で手を振ってくれた。


私は急いで帰り支度を済ませ、彼のもとへ走る。


「わざわざ迎えにきてくれてありがとう。」

「うん！迎えに行くのが男の仕事っスから！」

最近ますますかっこよくなっちゃって。
私ばっかりどんどん好きになっていく。


「Aチャンどこ行きたい？」

「最近出来たドーナツ屋さんとかどう？」

「いいっスね！！そこにしよう！」



学校を出て、二人並んで道を歩く。
一歩後ろは歩かせてくれないからもう観念したよ。
心臓はすっごくうるさいけど。


道の車道側を歩いてくれたり、自転車とすれ違う時も私を自転車から遠ざけてくれる。
さり気ない気遣い上手になったなぁ、なんて。
私、誰目線なんだろう。

「Aチャン？何笑ってんの？」

「ふふふ、何でもない！」

「え〜！！気になるじゃないっスか〜！！」

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