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千秋楽の日。


太一くんとはあの日以来一度も会話はしていない。
クラスも違うから顔を見ることも極端に減った。


「人多いな…」

MANKAIカンパニーって最近人気らしい。
そんな劇団の団員だなんて太一くん凄いな。

私はチケットを手に、劇場へと足を踏み入れた。








『兄ちゃんの友達?僕、ベンジャミン。よろしくね!』


太一くんだ。
あのいつも明るくて元気な感じなのに、あんな表情もできるんだ。

鳥肌が立った。
太一くん演技上手だな。


「っ、」


ふと目が合った




気がした。




気がしただけで、実際には目なんて合うはずない。
でも一瞬こちらを見た綺麗な水色の眼に惹き込まれてしまったんだ。


あぁだめだ、
もっと好きになる。









「…っ、すごい」


拍手喝采が起こる。
カーテンコールの為に出てきた役者の皆さん。
その中には当然太一くんの姿もあるわけで。
彼は笑顔でお客さんに手を振っていた。


その笑顔は、少し前まで私にも向けられていた笑顔。
今では私にだけ向けられなくなった笑顔。


そう考えただけで涙が出そうだった。
もうそこに居たくなくて、静かに、気づかれないように逃げた。





ロビーのような場所に出れば、綺麗な女の人が居た。

「もうお帰りですか?」

私に言ったのかどうか分からなくて辺りを見回した。
あ、私しかいない、これ私に話しかけてる。


「あ、はい…」

「見に来てくださってありがとうございました。またいつでも来てくださいね!」


「あっ、あの、素晴らしい舞台でした、役者の皆さんとても生き生きしてて、楽しそうだなぁって…」


しまった、美人さんだからいつも以上に言葉がつっかえた。
あぁ恥ずかしい…


恐る恐る彼女の様子を伺うと、何故か目を輝かせていて、


「そういうのは本人達に言ってあげてください…!!」


肩を掴まれそう言われた。
あ、あの、お顔は綺麗なんですけど鼻息がちょっとだけ荒いような…
でも鼻息荒くても美人って凄いな。


変なことを考えていると、私が出てきた扉ではなく、隣の小さな扉が開いた。


「あっ、皆お疲れ様!」

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夜狐灯 - もう尊すぎてしんどい← とても楽しく読ませていただきました。とても面白かったです!! (2020年1月5日 6時) (レス) id: dcf37bcbea (このIDを非表示/違反報告)
ちょこしゅー。(プロフ) - カリンさん» コメントありがとうございます!!太一くんほんとに可愛いですよね…私も大好きです……お待たせしてしまい申し訳ないのですが、最後まで読んでくださると泣いて喜びます((( (2017年10月28日 18時) (レス) id: a8d5a25739 (このIDを非表示/違反報告)
カリン(プロフ) - とっても面白いです!自分は太一君推しなので、本当ドキドキしながら読ませていただいてます!続きとっても楽しみです!更新頑張ってくださいっ! (2017年10月9日 0時) (レス) id: a8307d2252 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこしゅー。(プロフ) - 姪さん» コメントありがとうございます!!レス遅れてしまい申し訳ない…!!!更新不定期なのですがこれからも応援していただけると嬉しいです! (2017年9月30日 23時) (レス) id: a8d5a25739 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ふぉおおおおお!あ、いきなりすみません…。この後の展開が気になります!更新頑張ってくださいね!! (2017年9月25日 22時) (レス) id: 4774db47d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年9月23日 0時

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