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ミンギの話を聞いていたら
事務所まではすぐだった。
｢ヌナに話せたから楽になりました｣
｢だと、いいけど｣
｢MV撮影頑張りましょうね！｣
大きく手を振って
自分の宿舎の方に歩いていくミンギ。
私もそれに応じ、
彼の姿が見えなくなったころに
元来た道を戻り始めた。
、
家についてすぐ
ラップの練習をする。
他国語を入れたからか
タイミングが取りづらいのだ。
｢あーほんと、難しい｣
１人の部屋で
ぼそっと呟く。
誰にも聞かれてはいけない
私の弱音たちは
部屋の中に充満している。
歌詞カードを机の上に放り投げ
ベッドにダイブする。
たまに自分が
なんのために歌ってるのか
わからなくなるときがある。
｢伝えたいことがあるのに…｣
私の瞼は
ゆっくりと降りていく。
霞む視界と微睡みの中で
デビュー曲が聴こえてきた気がした。
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作者名：こずえ
| 作成日時：2017年11月19日 20時
