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笠原が柴崎に不明図書の事を言ったら、柴崎が何か閃いたようで。
笠原を通じて、堂上班と玄田隊長が会議室に集められた。
「今日集まってもらったのは、非公式に報告したい事があるからです」
「異議あり。柴崎一士は業務部です、業務部側で報告すべきじゃないんですか」
「ふっ、聞きしに勝る頭の固さね。業務部じゃ上に上がるまでに報告が歪むか圧力がかかる可能性が高いから、って言わないと分かんないかしら。せっかくここにこういう人脈がいるんだから」
と笠原の肩を叩いて
「使えるバイパスは有効に使うべきでしょう?そもそも図書特殊部隊ってのは、組織内の遊撃性にもその本領があるはずだけど?」
わぁお。
柴崎が弁の立つ人だって事は知ってたけど、手塚をここまで追い詰めるとは。
さすがの手塚も口を閉じたままだ。
「んで?その報告ってのは?」
「...館長代理が図書館法第31条に抵触する行為を行っている可能性があります」
場の空気が一気に変わった。
「笠原に不明図書のこと聞いて、他にも不明図書がないか調べてたんです。そしたら館長代理とかち合って。その後、館長代理が出てきた書庫に入ってみたら、これが置いてありました」
柴崎が、机の上に本の山を置く。
「問題の不明図書、全15冊ありました」
「18冊あるけど?」
小牧教官が言う。
職業柄、冊数を数えるのは速い。
「複本も含めて調べたところ、複本ごと所在不明になっていたものもありました」
「...状況としては、グレーだな」
「なんでですか隊長!こんなの完全に真っ黒じゃないですか!」
笠原が噛み付く。
「グレーって何ですかグレーって!真っ黒じゃないですか!第31条違反でしょう⁈」
「落ち着け」
堂上教官が割って入る。
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るり(プロフ) - 絢さん» ありがとうございます!!ご期待に添えるように頑張ります! (2017年5月13日 5時) (レス) id: f6d4dd4d44 (このIDを非表示/違反報告)
絢(プロフ) - この作品、すごく好きでいつも読ませていただいてます!頑張ってください! (2017年5月11日 20時) (レス) id: 021a2c26af (このIDを非表示/違反報告)
無名 - こんにちは、堂上教官ファンです。作品すごくおもしろうです。 (2017年3月29日 15時) (レス) id: 30bcd37fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るり | 作成日時:2017年3月4日 20時