35冊 ページ35
結果として、書庫業務は戦場のようだった。
次から次へと吐き出されるリクエスト。
書庫内を走り回って本を捜索する。
響くのは走り回る靴音と、笠原が手塚に質問する声だけ。
なんでそこで手塚なのか。
堂上教官いわく、私に聞いてたら笠原に甘えが出ちゃうから、なんだって。
12時になって、利用者も昼ごはんを食べる頃となり、やっと休憩が取れるようになった。
集まった堂上班に向かって小牧教官が言う。
「この3冊、差し戻された」
「笠原、お前の責任だよな？第一、分類法も覚えてない図書隊員って何なんだよ？」
「え、でも、あたし最初は防衛部配属だったし...」
「配属受けたの大分前だろ？」
「だって、すぐに奥多摩訓練で、帰ってきたらすぐ書庫業務だったんだもん！」
「昨日は丸一日休みだったよな？何してたんだ？
しかも馬鹿なら馬鹿なりに早く来て予習すればいいものを。深瀬は早く来てたぞ。
だって、とでも、だけ一人前か？馬鹿ならいっそ喋るな！」
「手塚！...言い過ぎ」
止めに入る小牧教官。
笠原は目に見えて落ち込んでいる。
...私が笠原誘って一緒に予習すればよかったのに...。
私のせいだ...。
「とりあえず、このメンバーでどうシフト回すかだ。笠原は、他館リクエストやれ。それなら時間気にしなくてもいい。まずは書庫の配置を覚えろ。深瀬と手塚は、いけるな？」
「はい！」
「はい...」
確認を取るなり、カウンターに連絡し始めた堂上教官。
しばらくすると柴崎がやって来て、笠原を連れて出て行った。
多分、教官が手塚にやり込められた笠原を気遣って連れ出すように頼んだんだろう。
わかりにくいけど、堂上教官って優しいんだよなぁ。
これが、柴崎のいう、笠原限定の優しさ、か。
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るり(プロフ) - 絢さん» ありがとうございます！！ご期待に添えるように頑張ります！ (2017年5月13日 5時) (
レス) id: f6d4dd4d44 (このIDを非表示/違反報告)
絢(プロフ) - この作品、すごく好きでいつも読ませていただいてます！頑張ってください！ (2017年5月11日 20時) (レス) id: 021a2c26af (このIDを非表示/違反報告)
無名 - こんにちは、堂上教官ファンです。作品すごくおもしろうです。 (2017年3月29日 15時) (レス) id: 30bcd37fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るり | 作成日時：2017年3月4日 20時
