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「すいませーん...あれ、誰もいないのか」
小牧教官に運ばれていった医務室には、誰もいなくて。
そっとベッドに降ろされて、
「深瀬さん、シャツ、脱がせても大丈夫？」
こくんと頷く。
脱がされて初めて現れた傷跡は、意外と深かった。
血がどくどくと流れ出すのを見て、不安になる。
「よいしょっと。これで止血は終わりだけど、しばらくは塞がらないと思うから。お風呂入る時、気をつけてね」
教官が、さすがの速さで処置してくれた。
「...で、なんで俺を置いて走っていっちゃったの？」
「すいません、笠原が男子トイレに入っていくのが見えて、心配になってしまって...」
「深瀬さんが他人のことほっておけない性格なのはよくわかってる。
だけど、お願いだから！！...もっと、自分を大切にして」
堂上教官と違って滅多に声を荒げない小牧教官が、本気で怒ってる。
本気で怒らせたって事は、本気で...心配させた。
「...すみません。気をつけます...」
「でも、ちゃんと犯人を確保できたのは良かったから。これからも頑張るんだよ？」
ぎゅっと抱きしめて、落ち込んだ私を慰めてくれる教官。
「深瀬、今度は怪我せずに確保できるように頑張ります！」
「そう、その調子。頑張ってね？
...とりあえず、俺のシャツ、着てて？」
血が滲んで使い物にならなくなってしまった私のシャツの代わりに、教官がシャツを貸してくれた。
ありがたく着させてもらうと、さすがは10センチ以上も身長が違う男の人。
私にはぶかぶかだった。
「教官...予想以上に大きいです」
「っ、今日は、もういいから帰りな？また明日からちゃんと訓練してくれればいいから」
教官の言葉に甘えて、今日はゆっくり休む事にした。
教官は女子寮の入り口まで送ってくれて。
怪我をして迷惑をかけてしまったのに、ここまでしてくれる小牧教官の人の良さを感じた。
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るり(プロフ) - 絢さん» ありがとうございます！！ご期待に添えるように頑張ります！ (2017年5月13日 5時) (
レス) id: f6d4dd4d44 (このIDを非表示/違反報告)
絢(プロフ) - この作品、すごく好きでいつも読ませていただいてます！頑張ってください！ (2017年5月11日 20時) (レス) id: 021a2c26af (このIDを非表示/違反報告)
無名 - こんにちは、堂上教官ファンです。作品すごくおもしろうです。 (2017年3月29日 15時) (レス) id: 30bcd37fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るり | 作成日時：2017年3月4日 20時
