夫 婦 二 遊 間

If ページ15

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25「フジ、飯行くぞ飯」

『あっ、修さん！行きます〜！』



ジャイアンツに入団してまもない頃。


やっと周りの環境に慣れて、先輩方とご飯に行くほどになった。


『他に誰が来るんですか？』


25「俺が適当に野手呼んで、投手はよくわからん｣



つまり、投手も来るということだった。



まだ、投手とは関わりが少なくて、ちょっとだけ緊張する。


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某居酒屋にて。


25「かんぱーい！」


修さんの音頭に合わせて、四方八方からグラスの鳴る音が響く。



『(…やべぇ、先輩ばっかりや)』


周りを見渡しても、先輩、先輩、先輩。

同期が一人もいなかった。

心細いながらもちびりちびりとビールを飲んだ。


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酔いが周り、雰囲気も騒がしくなったところ。


まだ俺は、誰とも話せないでいた。


だって、阿部慎之助とかおるんやで！？！？


悶えてると、



18「富士咲、飲んでる？」



貴方が声をかけてくれましたよね、杉内さん。


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『エッ、あ、はい！もうこれ2杯目です！』


18「の、割には元気ないね、なんかあった？」


『あ〜、いやその…』


貴方の優しい心に心が揺らいでしまいました。


『実は…』


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18「なんだ、そんなことか」

『いや、重要なことやと思いますよ！！』

18「ごめんごめん。でも、






俺と話せてるし大丈夫だよ、他の人も」


『杉内さん…』


揺らいだ心に貴方の言葉は優しすぎて、



ぐすっと泣いてしまった時もありましたね。



18「なに、"フジ"って飲んだら泣き上戸なの？」



『ほらもうそうやってぇ…！！』



いつかは貴方のような素敵な大人になると誓った時もあります。



18「フジ、お前と一緒に旅行したら楽しそうだなぁ」



『…勿論ですよ、俺と居たら飽きません！』





18「それは期待しとく。いつか行こうな」




(杉内さんはどこ行きたいですか？)
(うーん、まずは日本だな。伊豆、とか？)



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