レオと仲直り ページ10
「!A……」
「レオに手をあげるんだったら、いくら大好きだった鈴木先生でも嫌いになるよ……!」
Aは先生に怯むことなく睨みつけた。
「何よ……こんなもの…!!」
叩かれた拍子に落とした盗聴器を拾い上げ、それを壊し、先生は走って部屋から出ていった。
「A、お前…」
「レオ、大丈夫?ケガしてない?」
「俺は平気だけどお前が……」
「まさかあんな風に手上げる先生だなんて思わなかったね〜。盗聴器壊されたのも替え玉だけでもう一つあるなんて思ってなかったみたいだし。」
Aはパーカーのポケットからもう一つの盗聴器を取り出した。
「ひりつくし保健室行ってくるよ。レオは疲れただろうし先帰ってていーよ。」
そう行ってAが歩き出そうとするから、俺は咄嗟に引き止めた。
「あ、俺も行く…」
「レオ?」
「俺のせいでケガさせたんだし……こういうときは傍にいてやれって母さんが……」
モゴモゴさせながら、それでも傍にいてくれようとしているレオが可愛くて、そしてその優しさが嬉しくて、
「うん!」
Aは嬉しそうに笑った。
「この前はごめんね、レオ。」
「俺こそ悪かったよ。」
いつもはAから取る手が、今日だけはレオから取ってくれた。この日はAにとって特別な日になった。
***
「先生、ほっぺがいたいので氷くださーい。」
「鈴木さん!?どうしたのその顔…!」
「実は、」
レオが口を開いた時だった。
「足引っ掛けて転んで顔を思いっきり打っちゃいました!」
A?
「痛かったわね、そこ座って。」
「はーい。」
手当を受けて、Aはトイレに行った。戻ってきてからもう迎えが来る時間だからと教室に行ってくると言った。
「御影君ももう帰りなさい。あんまり遅いと親御さんが心配するわよ。」
「先生…」
「何?」
俺はAが忘れていったパーカーのポケットから盗聴器を取り出して、今日起きた出来事を話した。
「そんなことが…話してくれてありがとね。後はこっちに任せて、早く鈴木さんの所へ行ってあげてね。」
「はい。」
***
車の中。
「…レオ、ごめんね。」
「?何が?」
「レオにあんな事した先生の事かばうようなことして。あの先生大好きだったから、ああいう事が知れた先生は人生壊れるって聞いたから……」
「俺の方こそごめんな。」
お前の優しさをムダにしたけど、お前があんな目にあったのに何もせずには、いられなかった。
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桜花(プロフ) - ななしさん» コメントありがとうございます!!そうなんです!!彼女の目にはレオしか映ってないです!!これからも彼女はレオに対する恋を通して成長していくのでお楽しみに!続編も頑張ります!! (2023年1月28日 15時) (レス) @page41 id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - うわぁぁぁ夢主ちゃんの純粋にレオだけ見てる感じ大好きです…傷ついた乙女はより強くなるって謎自論があるがあるので全然大丈夫です!(?)続編おめでとうございます〜! (2023年1月28日 14時) (レス) @page50 id: 749c6d74de (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 充希さん» コメントありがとうございます!!他の作品も読んでくださってるんですか〜!!嬉しいです!!コメント頂けるのが1番モチベーション上がるので嬉しいです!これからもがんばります♡ (2023年1月23日 20時) (レス) @page43 id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
充希 - コメ失礼します!桜花さんの作品がどれも私のドタイプでめちゃめちゃ好きです!!!これからも更新頑張って下さい!!!! (2023年1月23日 20時) (レス) @page43 id: 199b614e0e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - かなさん» そのセリフッッッ!!めっちゃ拘ったんです!!そうです羨ましいんですっ!!こんなに嬉しいコメントありがとうございます!これからも頑張ります! (2023年1月3日 10時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年11月19日 22時