第四十三話 ページ47
ソウヤ君に誘われて、映画を観に行くことになった。
ソウヤ君が観たい映画があるんだって。
『A、その日はオシャレしなきゃだよ!一緒に服考えたりメイクしたり……!兎に角絶対仕度手伝う!』
「あ、ありがとう……」
七海ちゃん、すっごく張り切ってる……
ソウヤ君は私のことを好きだと言ってくれた男の子。
全く意識してないわけじゃ、ない……。
何だか緊張して来ちゃった。
〜!!変に考えるのはやめよ！もう寝よう!!
***
「A、今日は楽しんできて!」
「あ、ありがとう、七海ちゃん。」
七海ちゃんにメイク手伝ってもらったり服選び一緒にしてくれたり、凄く助かった。
***
「ソウヤ君、ごめんね遅くなって。」
「気にしないで。俺から誘ったんだし。ね?」
ソウヤ君、やっぱり優しいなぁ……
映画は凄く面白かったよ。最後までどうなるのか分からなかった。また観たいなって思えるくらい面白かった。
二人でパフェ食べたり、ゲームセンターで遊んだり。
凄く楽しい。
ソウヤ君の携帯に電話が掛かってきて、席を外している時だった。
「ホントお前って手ぇ掛かるよな〜」
「子供扱いしないでよお兄ちゃん!」
「はいはいガキンチョ。」
「も〜う!待ってよ!」
仲の良さそうな兄妹がいた。年齢的に、私達と同じくらい。
じゃれ合うような二人が、楽しそうで羨ましかった。
Aは竜胆との会話を思い出していた。
"竜ちゃん!私の荷物だし私が持つよ!"
竜ちゃんはいっつも買い物でも私の荷物を持ってくれた。
"別にこんくらい何ともねぇし。お前はドジだし折角買った服落としたら勿体ねぇだろ?"
"確かに勿体無いけど……ドジじゃないもん!!"
"つってこの前何にも無い所でコケてたのは誰だっけ?"
"意地悪っ!!"
"おうおう何とでも言え。"
でも私の気持ちは、少しずつ変化していっている気がするの。
その気持ちが本物だと分かってしまったら、私はあなたの妹で居られなくなる。
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作者名：桜花 | 作成日時：2022年9月4日 18時
