第二十三話 ページ24
家に帰ると、凄いビンタの音が聴こえた。音だけで分かるもの、絶対痛いよアレ。
「もう蘭の事なんて知らない!」
と思ったら部屋から女の子が出てきた。蘭ちゃんの彼女さん…かな?何があったんだろ…?
女の子は部屋を出ていったのに蘭ちゃんは部屋から出てくる気配はないし…いいの?追いかけなくて…
「蘭ちゃん?」
部屋にノックして入る。そしたら毛布に包まっていた。
…蘭ちゃんの部屋ってお洒落だけどちょっと入りにくい。掃除とかで定期的に入ってるけど、アダルト系のDVDとか色々あったりして目のやり場に困るもん。
蘭ちゃん最近、制服に強めの香水のにおいとか口紅が着いてたりするの。
落ちにくくて洗濯ホント大変!
「蘭ちゃん彼女さん帰っちゃったよ?追いかけなくていいの?」
「……」
「何かあった?」
私はベッドに寝転ぶ蘭ちゃんに合わせて屈む。
蘭ちゃんは唸るだけで毛布から顔を出さない。
「別に〜…今まで半分本気になりかけたけど飽きた。」
「飽きたって…駄目だよそんなこと言っちゃ…元気出して、蘭ちゃん。」
「慰めてくれんのA。甘えてもいい?」
「うん。いいよ。」
そう言って毛布から少し出てきた蘭だったけど…
「きゃー!蘭ちゃん!!服!!」
まさかさっきまで彼女とお取り込み中だったことなど知らずAは光の速さで出ていった。
またからかわれた…!!毛布から全然出てこないの変だと思った!絶対わざとだ…!!
「…」
Aはそこに転がっていた竜胆がドンキで買っていたパーティーグッズの袋を漁り、1つの物を見つけては蘭の部屋に向かった。
***
「ただいま。……何だこれ。」
「今蘭ちゃんの部屋は入っちゃ駄目なの!」
「はぁ…?」
蘭の部屋はまるで事件でもあったかのようにKEEP OUTの黄色いテープが何枚も貼られていた。
「兄貴?何かあったのかよ。」
部屋に入ってみるとベッドで服も着ずに携帯弄ってる兄貴。
まあ何となく察しが着くわけで。
「竜胆、Aの反応が面白かったワー」
「だからからかうのやめろって。それとさっさと服着ろよ。」
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年9月4日 18時