No.22 ページ27
私は家に帰りたいんですが…またしても帰れません。何故かというと、目の前に鬼の形相をした爆豪君がいるからです。
「…｣
めんどくさい…無視してさっさと帰るとしよう。
すると…
「待てや。｣
と言われた為、私は足を止めた。爆豪君の方を振り向かずに、
「何ですか。｣
と聞いた。ギリッという歯ぎしりと共に、ズカズカと私の前にやって来て、靴箱をガンッ！と殴り、その腕をおろさずに私を見る。
彼は私と２０�儖粍磴Δ里如�彼が私を見下ろして、私が彼を見上げるようになる。
上目遣いだからか、今の私は彼を冷たい目で見ているだろう。
すると爆豪君は口を開いて、
「お前あれだろ？中学ん時の。｣
「…覚えてくれてたんですね。光栄です。｣
「それだけじゃねえ。てめえ、具体的な個性を見せず１位とってやがったが…何の個性だ。｣
その時の爆豪の心情は…
この女…ロボットみてえに淡々としてやがる。まるで見透かすかのように…！
何の個性を持ってるかという問いかけに、一瞬目を細め、
「…さあね。｣
と言ってきやがった。
「はあ！？待てやコラ！！｣
強引に手首を掴もうとすると、後ろを振り向かずに、ガシッと目にも止まらぬ速さで俺の手首を掴んだ。
ゆっくりとこちらを振り向いた。
ギリギリと力を込めてくる。
「…っ！｣
俺が痛みに顔を歪めたのと同時にコイツは手を離した。
んだよ、コイツの個性か！？
すると俺の言いたいことを察したのか、
「…握力はそうですけど、今のは個性じゃないです。私は誰よりも体を鍛えている。実戦経験もそれは同じこと。…では。｣
「せめて個性名乗ってから行けや！｣
「…それは、戦闘訓練の時にわかること。今言っては、今日のテストの意味がなくなる。それだけです。｣
そう言って帰って言った。
「…っ！？クソがっ！｣
ズルズルと靴箱に持たれながら片手で片目を隠す勝己。
…んだよあいつ。
あのとき、「さあね。｣と言ったあいつの顔があまりにも綺麗で、不覚にも言葉を失った。
この俺をたぶらかしやがって…！その上、俺よりも成績が上とかあ！？
「アイツ絶対ぶっ潰す！！｣
「！？！？｣
それを影から見ていた人が一人。
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作者名：桜花 | 作成日時：2018年9月28日 17時
