No.17 ページ22
放課後
「カラオケ行こーよ｣
「それっきゃねーな！｣
ガヤガヤしているクラス。
スマホを見ている僕。
今朝の事件ヤフートップだ！早く帰ってノートにまとめなきゃ
するとノートが奪われた。
「あっ｣
「話まだ済んでねーぞデク｣
「カツキ何ソレ？｣
「「将来の為の…｣マジか！？く〜緑谷〜！！｣
「いっ良いだろ返してよ！！｣
ボムという音と共に僕のノートは真っ黒に。
「あー！！！！？｣
「ひどい…！！｣
フン…鼻を鳴らすかっちゃん。
「一線級のトップヒーローは大抵 学生時から逸話を残してる。俺はこの平凡な市立中学から初めて！唯一の！「雄英進学者｣っつー”箔”を付けてーのさ まー完璧主義なわけよ｣
みみっちい…
するとかっちゃんは笑顔で僕の肩をポンポンと叩いた。
「つーわけで一応さ 雄英受けるなナードくん｣
ビクッ
言い返そうとしても言葉が出てこない。
「…………｣
「いやいや…さすがに何か言い返せよ｣
「言ってやんなよ、かわいそうに中三になってもまだ彼は現実が見えてないのです。｣
あ、という声と共にかっちゃんは、
「そんなにヒーローに就きてんなら効率良い方法あるぜ。来世は個性が宿ると信じて…屋上からのワンチャンダイブ！！｣
バッと振り替えると楽しそうにかっちゃんは、
「何よ？｣
といって、僕が言い返せないのをわかって片手で小さく爆発させる。
「………｣
やっぱり僕は言い返せない。今だって体が震えてる。
教室を出ると、隣の教室から同時に誰かが出てきた。
あの子は…！
「あ…｣
向こうもこちらに気づいて僕の所に近づいてきた。
「えっと…さっきはありがとう。｣
うわあ…よく見るとめっちゃ可愛い…やばい…
「どうも。あの、大丈夫ですか…｣
「え！？うん大丈夫！｣
「授業中の事じゃなくて…今、凄い震えてますよ、私で良ければ、聞きます…なんか大体予想つくけど｣
僕は彼女にしゃべった。無個性のことも、ノートのことも。黙って聞いてくれた。話が終わると彼女は、
「そんなことが…それで、今そのノートはどこにありますか？｣
「えっ、なんで？｣
「…私ならそのノート、直せると思うからです。｣
そう言って彼女は僕の手をとって、
「早く行きましょう。｣
といった。 いや待って！僕今、手、繋いでる！？うわあああああ！！恥ずかしい！でも悪い気はしないな〜…って何を考えてるんだ僕は！！
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作者名：桜花 | 作成日時：2018年9月28日 17時
