No.12 ページ15
それから私は、メディアが落ち着くまで、正確に言うと小学校卒業まで、山奥のおばあちゃんの家に住むこととなった。
「校長先生…お元気で！高校生になるまでまっててください…｣
「楽しみに待っているよ！｣
車に乗って、小さくなる雄英高校をずっと見つめていた。
─数時間後
「おばあちゃん…！｣
「！！…A…！｣
そう言うとおばあちゃんは私を抱き締めてくれた。
「辛かったね…！｣
そうして私は、おばあちゃんと共に過ごした。
─２年後
私はもう小学１年生になった。
するとある日…
「なあ、お前、“悪魔の仔“なんだろ？おまえの父ちゃん、母ちゃん、悪魔なんだって、俺の母ちゃんが言ってた！｣
すると皆は口々に「そーだそーだ！｣と笑ってきたり、汚いものを見るかのように私を見る。
そうして、クラス皆で私の頭を叩いてきた。
どうして…私のヒーローをばかにするの…
「パパとママを、私のヒーローをバカにするな！｣
その叫び声と共に、個性を発動させてしまった。
回りに寄り付かないように、水の壁を作った。私はキッと睨み付けた。
それに皆はさっきの態度がまるで嘘のように静かになった。
「何事ですか！｣
先生がやって来た。
家に先生が来て、おばあちゃんと話をしていた。おばあちゃんはただ黙って話を聴いていた。
ご飯を食べてお風呂に入り、寝る時間になった。
「おやすみなさい、おばあちゃん…｣
「うん、おやすみなさい。｣
私は自分の部屋に入った。でもなんとなく気になって、こっそり襖を開けてリビングをそっと覗きこんだ。
「…っ、うう…私の娘が、息子がそんな風に言われてるなんて…！A…！｣
そう言っておばあちゃんは私が寝る時間になると毎晩机に突っ伏して泣いていた。
私はいつもそれを見てた。おばあちゃんを励ますことも、言葉をかけてあげることも出来ないまま。
…おばあちゃん、私は大丈夫だから…泣かないから、負けないから、だからそんなに泣かないで、悲しい顔をしないでよ…
そう心の中で呟くことしか…できなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜花 | 作成日時：2018年9月28日 17時
