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第１５話 ページ15
いつになっても晴れない気持ち。何ヵ月経ってもおさまらない。
洋ちゃんはずっとあのまま。匂いは変わらないままだ。
あんな匂いじゃ、安心できない。
だってあの匂いは私には甘すぎるんだもの。
抱きしめられない。
もやもやした気持ちのまま迎えた合同訓練。
八百万さんのチームに勝利して、なんだか優越感を感じてしまった。
やったやったざまあみろなんて思ってたかもしれない。
わたし、いつからこんな嫌な女の子になったんだろう。
戦うとき、私は鼻が効くからどこにいたってA組の人の匂いを感知でいた。
いやだな、いやだなこの匂い。
林間合宿が終わってからの間、しばらく洋ちゃんの服に媚りついていた匂い。
知らない女の子の匂い。
甘い匂い。
もう、いやになっちゃった、なにもかも。
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月9日 12時
