第１話 ページ1
雄英高校入学式当日、朝。
AAはぐっすり眠っていた。
彼女は寝ることが大好きで、布団に入るあの瞬間に最も至福を感じている。
───
「えっ、Aまだ起きてないんスか！？｣
「そうなの…一応準備は一通り済ませたのにまだ起きてくれなくて…洋雪くん、悪いんだけど起こしてくれないかしら…｣
「大丈夫です。慣れてるんで！｣
「助かるわ、ありがとう。｣
「いえいえ！｣
──
ドアを開けるとAはそれはそれは幸せそうに眠っていた。
「はぁ…A、もう行く時間だぞ〜、遅刻しちまうだろうが、ほら早く起きろよ！｣
無慈悲に毛布を剥がすとAの耳としっぽがビクッ！と動く。
「寒い〜…｣
「寒いじゃねえ！早く着替えて顔洗え！ほら、外で待っといてやるから！｣
「うーん、わかった…｣
目を擦りながらAはちゃんと起きた。
わりと従順なやつなんだけどな。朝だけはなかなか起きてくんねぇし。
そこから手早く顔を洗って歯磨きをしたA。
「おいおい…A、ネクタイ綺麗に締まってないぞ。全く…貸してみ。｣
洋雪はAのネクタイを綺麗に直す。
コイツ…呑気に欠伸しやがって…
Aが欠伸をする時は犬歯が見える。呑気に欠伸する姿はまさに犬だな…
「うしっ、綺麗にできた。ほら、行くぞ。｣
「うん…ありがと洋ちゃん。｣
Aの手を取って連れてく。
「じゃあおばさん、行ってきます。｣
「行ってらっしゃい。｣
「ママ、行ってきま〜す。｣
「行ってらっしゃい。あんまり洋雪くんに迷惑かけちゃダメよ？｣
「分かってる〜出来ることはやるよ〜じゃーね。｣
「はいはい。｣
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月9日 12時
