第参話 ページ3
「え、え…?なにが起きたの…?あたしが死ぬなんて、死ぬなんて…!認めないわよ、ま…だ…」
ボロボロと崩れ落ちていく鬼。
脚がガクガクと生まれたての小鹿のように震え、遂には腰を抜かしてしまった。頭がぼんやりする、スカートが自分の血で汚れてる。
バカ、早く立て…こんなとこ、いつ鬼が出るかも分かんないんだから……駄目だ、立てない…
「危ないところだったな!」
ビクッと体が反応する。
「十二鬼月に遭遇するとは…!君はまだまだ若いだろうに…!!」
「あ、えっ、えっと…」
「十二鬼月は倒した!安心するといい!」
「た、助けていただいて、あ、ありが…とうございました……!!…うわぁぁぁぁぁん…!!死ぬかと思ったぁぁぁ…!!」
「よもや!安心して力が抜けてしまったか!君は泣くと顔が大変なことになるな!」
「だって…だって!!!!!本当に怖かったんです…!!」
その男の人はわたしに合わせて座り、優しく頭を撫でてくれた。
「恐怖と必死に戦ったのだな。偉いぞ!」
その大きくて優しい手に頭を撫でられると、鼻水も涙も止まった。
「君の名前は何というのだ!俺は炎柱、煉獄杏寿郎だ!」
「AAです…え、炎柱様なのですか…すっ、すみません!私としたことが、お見苦しい姿を…!」
「見苦しくなどないぞ!それは君が鬼殺隊として当たり前のことなのだから!」
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作者名:桜花 | 作成日時:2020年11月2日 22時