第伍話 ページ5
「朝から島が急に騒がしくなったと思ったら…客が来ていたんだねぇ。しかも剣士の客も来ていたとは…」
「俺は昔先生に色変りの刀のことを聞いていたんだが、あんたがそれを作ってるのか?」
「ああ。そうだよ。日の光がずっとさしている、太陽に近い陽光山の鋼でね。実際、色変りの刀を作ったところで、実力がなければ刀の色は変わらないんだ。持ち主が一度鞘から抜けばその色は変わらない。持ち主でないものが触れたところで、その人の色になるわけではないし、その刀は持ち主の本来の色のまま輝く刀だ。」
「へぇ…その持ち主の本来の色ってのは、どうやって決まるもんなんだ?」
「"呼吸"だ。」
「呼吸…?」
ゾロは思い出していた。アラバスタで倒したMr.1と戦ったときに感じた呼吸のことを。
「あの子の話だと、炎の呼吸の剣士ならば赤色に、水の呼吸の剣士ならば青色に、雷の呼吸の剣士ならば黄色に、岩の呼吸の剣士ならば灰色に、風の呼吸の剣士ならば緑色に刀は変化する。他にも、それらから派生した呼吸で色は違う。」
「あの子…?」
「この島で唯一色変りの刀を持つ剣士のことさ。…それよりも、君たちは夜になる前に島を出た方がいい。見たところ、この島のことをあまり知らないようだし…」
「いや、この島が立ち寄らない方がいい島だってことは知ってる。何故なのかは知らねぇがな。そもそも何でここには剣士がひとりだけしかいないんだ?」
「…それは…」
「おーいゾロー!!」
「!?ルフィ!!」
「この島よぉ!すんげーおもしれーんだ!…って、ここどこだ?」
「すまねぇ、こいつは俺んとこの船長だ。」
「そうかい。楽しそうな船長さんだねぇ。この島の危険性を君達のクルーは知らないだろう。一度その話をした方が良さそうだ。」
刀鍛冶の彼とゾロ、ルフィが外を出たとき。
「うひょ〜!!なんだあれ!なんかわかんねえけどおもしれー!」
そこにはもう遠くへ行ってしまったが、花びらを散らせながらとんでいく人の影。
ひとりで修行しているAだった。
ゾロはその人物が刀を持っていることを見逃さなかった。
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作者名:桜花 | 作成日時:2020年5月12日 23時