刹那の花びら。 (ページ16)

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第拾陸話ページ16

「みんな。もう、終わったよ。私の戦いは。仲間に出会ったの。この土地は藤の花以外の花は咲かなくなって、もう二度と咲くことはないと思っていたのに。また、咲き始めるみたい。鬼舞辻無惨がいなくなったから。仲間が助けてくれたの。それと、とてもかっこいい人に出会えたんです。｣

嬉々として、今まで、Aがこの島に流れ着くまで、助けられなかった人々の墓に語りかけていた。

「この島の人々の墓か？｣

「ゾロ…！はい。私の助けられなかった人々の。何度も何度も謝ってきた人々です。｣

「ただお前は、今までたくさん戦ってきた。その結果、救えなかった命以上に、救えた命も多くあった。前を向け。｣

ゾロは私の髪をぐしゃっと撫でた。

「はい…！｣

私がそっと手を合わせると、ゾロも合わせていた。

もっと強くなるから。

もっと多くの人を守りたい。

夢を叶えたい。

助けられなかった人々に報いるために。

仲間たちと一緒に。

まだまだ戦います。