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第四十一訓 ページ42
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思わず握る手に力が入る。
「沖田さん、痛いです……」
立ち止まり手を離せば
「何をそんなに怒ってるんですか?」
言いながら手首をさするA。
どこまで鈍いんだこの女は……
いかにも機嫌の悪い沖田に対し
「もしかしてヤキモチですか?」
そんな彼女に沖田は真面目な顔で一言。
「だったら?」
沖田の視線が真っ直ぐとささり、Aは予想外な返しに言葉を詰まらせた。
それでも答えを求めるかのようにじりじりと距離を詰める沖田。
「ちょっ……」
とうとう壁際に追いやられたAに逃げ場はなく、徐々に近づく沖田の顔。
ぎゅっと目を瞑って身構えるAであったが
「冗談でィ」
それだけ言い残し、ぷいっと背を向けいなくなる。
壁に背中を預けたまま、ずるずるとその場にへたり込むA。
さっきから鳴り止まない心臓の音がうるさい。
「何これ……」
そう言って胸のあたりをぎゅっと掴んだ。
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作者名:百瀬 | 作成日時:2020年7月11日 0時