嘘恋

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「あの野郎って、俺言われようひどくね？(笑)」


当たり前だろ。


知らない奴にキスされて怒らない人がいるとでもいうのか！？


そう言いたい気持ちを懸命に抑える。


『…あの、』


「ん？」


『カッコカリの件、お断りしま「そーいえばさぁ！」


「俺AのLINE持ってなかったよね、交換しよ」


『は…！？てかなんで名前…』


「ね？携帯出して！」


"ここで言うな LINEで言え"と言わんばかり眼力で見つめてくる。


不覚にも、可愛いな と思ってしまった私はどうかしているんだろう。


『…QR、これ。』


「ん、ありがと」



言われたままに交換してしまった私は、本当にどうかしている。


「家帰ったらLINEいれとくわ」


……ダメだ。私。


引き返せ。


アイツに、"自分"を掴まれている感覚が悔しい。


『…ダメだって、』


ドキドキしちゃ。






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