57話 ページ12
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慌てて真波くんを止めると、彼はきょとんと心底不思議そうに首を傾げた。
「どうして？」
そのあどけない表情に思わず乗せられてしまいそうになるけど、今はダメだ。だってここ、関係者以外立ち入り禁止だもん。
「どうしてって……さっき真波くんも看板見たでしょ？ここ今日は総北高校さんの貸切で、関係者以外は入っちゃいけないんだよ」
だからその旨を優しく伝えてみると、真波くんはからりと笑った。
大きな澄んだ瞳が、イタズラっぽく細められる。
「ちょっとだけだから大丈夫だよ。朝早いし、たぶん誰もいない。Aちゃんも行くでしょ？」
──…こうなったら何を言っても聞かないだろうな、と何となく察してしまった。
真波くんとの付き合いはまだ2ヶ月ほどだけど、もうだいぶ彼のことをわかってきた気がする。
「…ちょっとだけだからね？私は…走るのはやっぱり気がひけるから、中入るだけにするよ」
「了解。じゃあオレ登ってくるね！」
私の返事を聞くや否や、真波くんは自然な動きでクリートをペダルにはめた。
かちゃんと気持ちの良い音とほぼ同時に、真っ白なバイクが動き出す。
──真っ白な色は羽の色。
真波くんにピッタリだなぁ、と小さく笑みがこぼれた。
そしてそんな彼の背中を見送ってから、私もそろりとCSCの中へ入る。
罪悪感もあるけれど、やっぱり好奇心もあるのだ。
新開さんたち3年の先輩が気にしてる総北高校。ちょっとでも見たいと思ってしまう私は悪くない、よね。
無理やり自分を納得させながら、恐る恐る歩みを進める私。
──わかっていたけど早朝のCSCは、たとえ合宿中であってもとても静かだ。
山の上にあるおかげで空気も澄んでいて、もうだいぶ気温が高くなってきた今の季節でも涼しく感じられる。
なんて、そんなことを呑気に考えながら歩いていたそのとき。
「……誰だ？」
「ひえっ」
後ろから、初めて聞く声が聞こえた。
慌てて振り向くと、そこにはふわふわの黒髪を1つに束ねた男の人が。
星マークのTシャツを着てて、それがなんだか可愛らしい。
「その制服……箱学の生徒か？ここ、俺らのとこの貸切なはずだけど」
──なんてそんな呑気なことを考えていると、これでもかっていうほど不審げに眉を潜めて彼が聞いてきた。
や、やばいやばい、なんて言おう。
「ぇ、と……はい、箱学の、」
真っ白な頭でしどろもどろ、馬鹿正直に答える私。
こっちを見る男の人が、さらに眉を潜めた。
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暁☆(プロフ) - poyocooooooさん» コメントありがとうございます！そんなことを言っていただけて光栄です✨️ 荒北さんも手嶋さんもとってもかっこいいですよね！推しを布教できて何よりです！笑 (4月30日 22時) (
レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
poyocoooooo(プロフ) - 弱ペダの作品あまり見かけない中でこんなに素敵な作品に出逢えてとても幸せです♡荒北さん推しだった私ですが、この作品を通して見事に新開さん推しになりました😍個人的に総北で手嶋さんと絡めたのが嬉しかったです✨手嶋くんいいですよね…！ (4月26日 4時) (レス) @page28 id: 7859abe11c (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 名無し20182号さん» コメントありがとうございます！！嬉しいです🥰 更新頑張りますね！ (8月23日 0時) (レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
名無し20182号(プロフ) - 神作すぎて一気見しちゃいました💞めちゃめちゃきゅんきゅんします！！更新応援してます❕ (8月17日 21時) (レス) id: f1e05d66bf (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - ちるちるさん» コメントありがとうございます！！ 嬉しいです、頑張ります😭 (5月31日 14時) (レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2020年12月14日 21時
