62話 ページ17
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「──最近自転車部すごいね、めっちゃ走ってるの見るよ」
1限と2限の間にある10分の休み時間。
私の前の席の椅子を引きながら、葵ちゃんがそう言って笑った。
手には数学のノートを持っていて、今から2人でこっそり答え合わせだ。いつ当てられるか分からないから確認しとかないと。
「うん。夏のインターハイに出るメンバーの選抜トーナメントが始まったんだよね」
ここ最近の自転車部はすごい。
内側から見ている私だけじゃなくて、自転車部と全然関係のない葵ちゃんにもわかるくらいには。
「トーナメント？自転車部人数すごいよね、大変だ！」
「そう、人数多いからレース数も多くて。あっちこっちでやってるもん」
最初の方の予選というか人数減らしのレースは、かなり簡単なもので済ませていたけれど、最近のレースはトーナメント戦後半ということで本格的なものだ。
つい昨日には1番ゼッケン──…エースブロックの決勝があって、当然優勝は福富さん。
誰にも文句を言わせない綺麗な走りで、本当にかっこよかった。しっかり動画も撮ったけど、何しろ速すぎて上手には撮れませんでした。
今日は2番ゼッケン、エースアシストをかけた決勝。明日は3番ゼッケンのエースクライマー。
──そして明後日は、4番ゼッケンだ。エーススプリンター。
「インターハイ応援行くね！今年の会場ここなんでしょ？」
「やった、嬉しい！そうそう、江ノ島スタートでゴールが富士山なの」
「えっやば。そんなに走るんだ、すご…」
江ノ島から富士山って自転車で行けるんだね…としみじみしている葵ちゃんに、1日で行くわけじゃないけどね、と一応念を押しておいた。
過去にロードをやっていた私でも信じられないのだから、葵ちゃんはもっとだろう。3日間も自転車で戦いながら走るなんて、私には絶対に無理だ。
「あ、合ってそうだよ」
「ほんとだ。全部一緒だね」
いいかんじに答えが一致していた数学のノートを閉じて、今度は携帯を出す。
──新着のメールが1件届いていた。
誰からだろうと軽い気持ちで開いて、息が止まる。
『昼、一緒に食べないか？』
シンプルな、見ようによっては素っ気なくも感じる文字列。
男の人はこんな風にメールをするんだ、と胸が鳴った。
──穏やかな低い声で、文字が脳内再生される。
「……葵ちゃん」
お昼、新開さんと食べてきてもいいかな。
私のその言葉に、葵ちゃんは「当たり前じゃん」と笑ってくれた。
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暁☆(プロフ) - poyocooooooさん» コメントありがとうございます！そんなことを言っていただけて光栄です✨️ 荒北さんも手嶋さんもとってもかっこいいですよね！推しを布教できて何よりです！笑 (4月30日 22時) (
レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
poyocoooooo(プロフ) - 弱ペダの作品あまり見かけない中でこんなに素敵な作品に出逢えてとても幸せです♡荒北さん推しだった私ですが、この作品を通して見事に新開さん推しになりました😍個人的に総北で手嶋さんと絡めたのが嬉しかったです✨手嶋くんいいですよね…！ (4月26日 4時) (レス) @page28 id: 7859abe11c (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 名無し20182号さん» コメントありがとうございます！！嬉しいです🥰 更新頑張りますね！ (8月23日 0時) (レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
名無し20182号(プロフ) - 神作すぎて一気見しちゃいました💞めちゃめちゃきゅんきゅんします！！更新応援してます❕ (8月17日 21時) (レス) id: f1e05d66bf (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - ちるちるさん» コメントありがとうございます！！ 嬉しいです、頑張ります😭 (5月31日 14時) (レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2020年12月14日 21時
