箱学1年マネージャーはチャリ部男子に迫られてます。【弱虫ペダル】

8話 ページ9

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何が面白いのか、東堂さんはおかしそうに肩を揺らしながら笑う。


「あんな新開、珍しかったよ。本当に嬉しそうだった」


その言葉に、とくりと胸が鳴る。

…新開さん、私がマネ志望だってことが嬉しかったの？



「でも女マネなんて俺たちは反対だったし、何よりロードやってるだけでその子がマネ志望とは限らない。だから最初、フクは却下した」


それはそうだろう。募集しないと決めていたんだから。


「なのにその日、式の後君が部室を訪ねてきただろう？それでマネージャー志望だってハッキリわかった。新開だけでなく荒北も…というか俺やフクも、Aちゃんなら絶対続けてくれると思ったのだよ。君は俺たちではなく、純粋に自転車が好きだからな」


なるほど、と納得するには何だか釈然としない理由。

要するに私は特別扱い。たまたまあの日新開さんに会ったというだけで、本来募集していなかったマネージャーになってもいいのか。


そんな私の気持ちが顔に出ていたのか、東堂さんが微笑んだ。


「心配しなくていい。うちの部は顧問よりフクの方が上みたいなものだ。フクはAちゃんを歓迎しているからな」


ちなみに副部長は俺だぞ、と得意げに笑う東堂さん。

副部長なんてちょっと意外とも思ったけれど、現に今彼は女子1人の私を気づかって話してくれている。
割と面倒みの良い、しっかり者タイプなのかもしれない。


「そうだったんですね…。だったら私、頑張って皆さんのサポートしていきます！」


特別扱いは何だか不服だけど、マネージャーをやりたかったのは事実だ。精一杯、私にできることをやろう。


「やはりAちゃんは素直で可愛らしいな」


にっこり、そんな効果音がつきそうなくらい、綺麗で完璧な笑顔になる東堂さん。

可愛い、の一言に顔が熱くなった。
自転車部の人、もしかしてみんな女の子口説くの手馴れてる…！？


「さては照れているなAちゃん？」


イタズラっぽく笑う東堂さんに、ますます顔が熱くなっていく。


焦って何か言おうと口を開いたところで、タイミングがいいのか悪いのか、主将である福富さんが部室に入ってきた。



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