6話 ページ7
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新開さんはよく食べる。荒北さんも結構食べる。
ズラリとテーブルに並んだたくさんのお皿を見て、私は脳内メモに2人の情報を付け加えた。
ちなみにお皿は全部空になっていて、今さっき新開さんがデザートにおっきいパフェを注文したところ。たくさん食べてましたよね…?
「ったく食いすぎなんだヨこのデブ」
「靖友も食べてるじゃないか」
「俺は太ンねェからいいの」
男子高校生ってこんなに食べるんだ、すごい。
でも食べる量の割に全然太ってないし、2人とも代謝いいのかな。
特に荒北さんなんてめちゃくちゃ細いのに。
新開さんも荒北さんにはデブとか言われてるけど、少しもそうは見えない。
むしろ程よくついた筋肉が健康的で、私は好きだ。
「Aちゃんは腹いっぱいになったか?遠慮してないかい?」
「はい!お腹いっぱいです!」
新開さんと荒北さんに比べたら確かに食べてないかもしれないけれど、私もパスタをいただきました。女子はこれくらいで十分です…。
お喋りしている途中で、新開さんが頼んだパフェが届いた。
何か色々乗ってる。すごい。…美味しそう。
「まーたそんな甘そうなの食うのかヨ」
「上手いぞ?靖友も食うか?」
「いーヨいらないヨ。それよかAチャンが物欲しそうに見てるからそっちにあげなヨ」
荒北さんに急に話を振られて、思わずへ、と声をあげる。
こっちを見た新開さんと目が合って、気まずくなって目をそらした。恥ずかしい。
「はは、可愛いなAちゃんは。食うか?ほら」
新開さんからロングスプーンを渡されて、私は一瞬固まった。これ、新開さんが使ってたやつ。
「…えっと…」
「ん?」
このままだと間接キスというものになってしまう。
食べるのをとまどって新開さんを見ると、にっこり笑って首を傾げられた。もしかして確信犯!?
どうしようどうしようと慌てていると、荒北さんが店員さんを呼んで新しくスプーンを貰ってくれた。ありがとうございます。
新しいスプーンで、安心してパフェを食べる。
「せっかくのチャンスだったのに」
「っせ!Aチャン困ってただろーがバァカ!!」
面白くなさそうな顔をした新開さんに、荒北さんが声を荒らげた。
…チャンスって何ですか新開さん…。
──それから、間接キスが嫌じゃなかったのは何でなんだろう。
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暁☆(プロフ) - 断然ポカリ派民さん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^^*) (2020年9月23日 17時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
断然ポカリ派民 - ヤバい葵ちゃんタイプ (2020年9月10日 21時) (レス) id: 60ae0496f5 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 断然ポカリ派民さん» すみません、ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです (2020年8月29日 5時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
断然ポカリ派民 - まだかな♪まだかな♪ (2020年8月28日 21時) (レス) id: 60ae0496f5 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 断然ポカリ派民さん» ありがとうございます(´˘`*)更新早く出来るように頑張りますね! (2020年8月16日 5時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁☆ | 作成日時:2020年5月1日 0時