29話 ページ32
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──部活終わり、校門前。
空はまだ明るくて、だんだん日も長くなってきている。…夏が近づいているんだなぁ。
自分の愛車を眺めながら新開さんを待っていると、続々と部室から人が流れてきた。
「Aチャン帰ンねェの?日長くなったからってモタモタしてっとすぐ暗くなんヨ?」
何故か髪から水を滴らせた荒北さんに声をかけられる。
シャワーでも浴びたのかな。
「えっと、ちょっとまだやることあって。ちゃんと髪乾かさないと傷んじゃいますよ?」
「別に俺男だしィ?髪傷むとか気に…」
「ならんよ荒北!例え男だろうと身だしなみに気を遣うのは当然のことだ!」
そこへ東堂さんが登場。
よく通るその声に顔をしかめた荒北さんが、じゃあね、と手をヒラヒラさせてロードに跨った。
東堂さんもすぐにそれに続き、2人はギャーギャー騒ぎながら見えなくなる。
そんな2人を見送っていると、今度は泉田さんと黒田さんが出てきた。
仲良くお喋りしながらロードを引いてきて、私と目が合うと微笑んでくれる。
「Aさん、また明日」
「じゃあなA。お疲れ」
黒田さんからの名前呼びにびっくりしているうちに、2人はロードに乗って行ってしまった。
いつのまに仲直りしたの?なんていう泉田さんの声が聞こえてくる。
今日仲直りしたばっかりです。
「Aちゃんだ!誰か待ってるの?」
そして次々と声をかけられる私。今度は真波くんだ。
みんなにちゃんと名前覚えてもらえてるってことはたぶん、マネージャーとして少しでもチームに貢献出来てるってことだよね。
「うん、そんなところかな。真波くんは寮じゃなかったよね?気をつけて帰ってね」
「うんありがとう。また明日!」
片手を上げて、パタパタと白いシャツをはためかせながら見えなくなる真波くん。
私たぶん、真波くん以上に白いシャツが似合う男の子って知らないや。
それからしばらくして、今度は福富さんが出てきた。
私を見て立ち止まり、部室へと視線を移す。
「新開ももう出てくる。鍵は葦木場に頼んであるから遠慮せず走ってこい」
どうやら福富さんは、私と新開さんが約束しているのを知っているらしい。
福富さんと新開さんは中学からの同級生らしいし、よく2人仲良さそうにしているのも見たことある。
「えっと、ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げれば、小さく頷いた福富さんはロードに乗ってあっという間に見えなくなった。さすがです。
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暁☆(プロフ) - 断然ポカリ派民さん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^^*) (2020年9月23日 17時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
断然ポカリ派民 - ヤバい葵ちゃんタイプ (2020年9月10日 21時) (レス) id: 60ae0496f5 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 断然ポカリ派民さん» すみません、ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです (2020年8月29日 5時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
断然ポカリ派民 - まだかな♪まだかな♪ (2020年8月28日 21時) (レス) id: 60ae0496f5 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 断然ポカリ派民さん» ありがとうございます(´˘`*)更新早く出来るように頑張りますね! (2020年8月16日 5時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁☆ | 作成日時:2020年5月1日 0時