私がメモで書いてきた小説集 (ページ9)

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星ページ9

彼女に対していきなり腹立って仕方がなくなった。
それと同時にショックと何かの喪失感。

なんで。

同じ題材。同じ角度。
あり得ないほど彼女がうざったらしく感じてくる。
新入部員の絵は星みたいだった。
あれと私を比べると、地面だった。

月とすっぽん、あーやだやだ。
思わず赤面。恥ずかしくなる。
新入部員と2枚後にさっさと提出して、
さっさと準備して帰る。

家に着いたら真っ先に部屋に行く、
私は今とても機嫌が悪い。
前にもこんなのあったじゃん。

中1の、青春が汗と涙でベタベタになる時期。
私は同級生の描いたキャラクターの絵を偶然見たことがある。

物凄く、うまかったなぁ。

それから私は物の模写をすることになった。
二次元のキャラクターから三次元のひとへ。
夢の淡いぴんくから現実の綺麗な黒へ。

なーんだ、逃げた先でもこうなるじゃん。

お気に入りの人の曲。
音量は上から2番目。
不協和音とおぞましく綺麗な歌詞を鼓膜に叩きつける。

鼓膜にとってはなんてこともなかった高い音も、
音量を高くしたら、それは害でしかなくなり、
キーンと頭が痛くなりそうなほど、高音が響いた。

でも今はこれでいい。これがいい。

地面と星。
私と新入部員。

気付けば腹立たしいのは全部気合いに変わってて、
あぁ、私成長したなって思った。

そんな高2のできごと。
白い紙は細かい灰色の線で大体が埋め尽くされていた。

懐かしいな〜って思いながら星みたいに輝く向日葵を描く。
明るい黄色に染まった筆を紙に叩きつけて滑らせる。

距離、約4000兆km
そこまで届くまで、ざっと400光年

上等。
追いついてやる。

滑らした筆は、とても力強かった。