私がメモで書いてきた小説集 (ページ8)

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地面と⬇︎ ページ8

絵。
絵はとても楽しいものだけど、
その経験はちっとも楽しくない。

ふわりと花の匂いが香る花畑。
緩やかな風と共に運ばれてきた親子の会話に微笑む。
三角で座った太腿の上には真っ白な白い紙、
そして手には鉛筆。

花を描くのはベター、
そしてこの嫉妬心もベター。

高2、そう、青春が期待で立ち込める時期。
教室の中は少し涼しくて、ここも他と変わらず、期待の眼差しは一年へ。

「よろしくお願いします！」

そう、元気のいい声が響く。
新入部員。
ここは美術部、白いキャンバスが並ぶ。

新入部員に自己紹介と説明。
それが終わったら絵を描く。

キャンバスに向かう、さて、なにを描く？
教室を見渡す、ふと目を上に向けた時についたのは時計。
少し遠いけど、まぁ、大丈夫。

今回はあまり時間がない、だから鉛筆で下書きだけ。
同級生も先輩も、みんな思ってるのは同じこと。
「これ以上私より上手い人が出ないで欲しい」

さて、1時間が経ったころ。
絵をとりあえず集めて、あとは明日。

ふと、目に写った。
新入部員の、

繊細な綺麗な線、陰の付け方は、もう勉強する時に見たプロ絵師のとほぼ同じ。
描いたものはいっしょ。
『時計』

＿なにこれ、うますぎる。