What is right ?

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綾部 「 なんでこの女を助けたんですか？ ただの人質ではないですよね 」





大河 「 ⋯⋯お前には関係ねぇ 」




綾部 「 いずれ貴方にとって 、重要な人間のようですね 」














冷たい視線を裕子に向けた綾部は

奥からヘッドホンをとりだし 、口を開いた 。














綾部 「 クラシックは好きですか？ 」




「 ⋯⋯⋯⋯？ 」




綾部 「 私は大好きです 、イライラした時に大音量で聴くと気分が落ち着きます 。ただし⋯⋯何事にも限度がある 」









裕子 「 っねぇ 、なにするの⋯⋯⋯⋯！ 」




「 お母さん⋯⋯！ 」














綾部は裕子の耳にヘッドホンを装着した 。


そのヘッドホンからは クラシックが流れている 。














綾部 「 現在の音の大きさは20デシベル 。5分ごとに15デシベルずつ上がるようになっています 」




大河 「 お前まさか⋯⋯⋯⋯ 」




綾部 「 人間は一定以上の音圧を受け続けると食欲不振に陥り耳に痛みを感じ始めます 。音圧を上げていくと鼓膜が破れ 、やがて脳が破壊されると言われています 」




「 ⋯⋯それって⋯⋯⋯⋯ 」









綾部 「 ⋯⋯さぁ 、データはどこですか？ はやく答えないと⋯⋯ボーン！！ 」




裕子 「 っ⋯⋯⋯⋯！！ 」













このまま大河が黙っていると 裕子の鼓膜は破れてしまう 。












「 っ⋯⋯お願い 、お母さんを助けて⋯⋯！ 」




大河 「 ⋯⋯⋯⋯ 」












大河に訴えるAだが

彼は一向に口を開こうとはしなかった 。









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