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29ツン ページ30

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「お前、まさか……健ちゃんの気持ちに気付いてんの?」



俺の放った衝撃の一言に目をぱちくりするA。
長い沈黙が流れる空間






その沈黙を破ったのはAのほうだった



『……それはけんちーが私を妹“として見てないってこと?』



まじかよ.....
やっぱ分かってたんだ、コイツ



「いつから?」



『ひろくんが気付く前から』


嘘だろ、
そんな前から.....



『それから.....



けんちー自身が気付く前からかな』




「.........はい?」



健ちゃんが気付く前から?
どういうことだ?
わけわかねーし.....



『幼馴染としてずーっと見てきたんだよ?



好きな人の視線ぐらい分かるよ』



今サラッと”好きな人”って言った?!
言ったよね、今



「おまっ、健ちゃんのこと好きなのかよ」



少し間が空いた後、ふわりと微笑むA。



「なら….なら何でっ….」



言わないんだよ
健ちゃんの気持ち分かってて



『何で両想いなのに言わないんだ、コイツ。って思ってる?笑』



「まあ、うん」



『だよね、ひろくんからしたら大切なメンバー傷つけんなって話だよね…分かってる。でもね、言っちゃいけないの。








この想いだけは、口にしちゃいけないの。』





「は?なんだそれ」



『まだ言えない。言わなきゃいけない、その時が来たら話すね』



「……」



『私ははまだ子供で、強くならなきゃいけない。誰かに守ってもらうようなそんなか弱い‘‘お姫様”じゃ駄目なの。だからこのことは誰にも言わないで。
お願い。

…じゃあ、もう帰るね。ワイン美味しかった、おやすみ』



「は、ちょっと待てっ!」




ガチャ





まだ聞きたい事あったのにそそくさと帰って行ってしまった




でも両想いだったんだ、あの二人。
健ちゃん良かったな(泣
アイツが何を抱えてるか知んねーけど、とりあえずおめでとう(泣









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作者名:マリ | 作成日時:2016年6月12日 14時

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