ルームメイトはお爺ちゃん！【YG】

月の裏側 ページ13

家の近くにあるスーパーに到着。
スーパーの入り口でおば様方の熱烈なラブコールを受けているひとりの男性。

「ヤー困っちゃうなあー」


「おい、無視するぞ」
「御意」

ユンギと私は人だかりには目もくれずスーパーに入った。

自動ドアが閉まる直前に、外から「置いてかないでー」と悲痛な叫び声が聞こえた気がした。

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今日は講義が遅かったし、試用期間だから簡単なものを作ろうと決めた。

「んで、なに作るんだ？」

ユンギはカートを押しながら聞いてくる。

「オムライスにしようかと思って」

「お、いいね」

「好きなの？」

「ん？いいや、うまそうだなーって思っただけ」

「ユンギ好きな食べ物とかあるの」

「んー俺はなんでも食べるけど、基本肉好きだな」

「肉ね、おーけー」

次の献立はビーフシチューとかにしてみるか。

ちょっとワクワクしてきた。

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「・・・そういえばジンさんは？」

「あ、忘れてた」


お会計を済ませて、帰路に着いた時ふと思い出した。

熱烈なおば様方との恋路を邪魔したら悪いので、そのまま家に帰ることにした。(酷い)


帰り道、今日あった出来事をお互い話す。

ユンギは音楽家を目指してるみたい。ユンギの作る音楽ってどんな曲なのかな。

優しい曲？いやいや、ユンギは優しさのかけらもないことで有名だよ。

悲しい曲？ユンギの奥底にある碧い感情ってどんな形なんだろう。

激しい曲？意外と反骨精神ありそうよね、ユンギって。


高校では見えなかったユンギの裏側を、見たいと願っている私がいる。

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