貴女は誰のお姫様に…

day2【関大輔】 ページ3

空には厚い雨雲がかかり窓を大粒の雨が打ち付ける音がする。今日もいつもと変わらずデスクで仕事をする。デスク仕事だけだとどうしても肩がこるため両手をあげ背伸びをしていると

「これ頼めるか？」

『関さん、分かりました。すぐ始めますね』

「あぁ、助かる。じゃあよろしくな」

『はい！』

話しかけてきたのはここ捜査企画課の課長であり、私の大切な恋人である。自分のデスクで仕事をする真剣な関さんの表情がいつも私に元気をくれる。再び仕事を再会しようとキーボードに手をかけると、関さんが外回りの準備を始めた。

「じゃあ外回り行ってくるから」

行ってらっしゃいとみんなが口々に言い出す。私も行ってらっしゃい！と声をかけ関さん、こんな雨の中風邪ひかないかな？と思いながら資料を作成を開始した。すると、私の電話がなり、差出人を見て私は思わず盛大にににやけてしまう

夏目「何ニヤニヤしてるの？早く出た方がいいんじゃない？」

『べ、別にニヤニヤしてないよ！』

夏目「ふーん」

意味ありげにニヤニヤとこちらを見てくる彼を少し睨むと「はいはい」と仕事を再開させた。

『はい、もしもし。関さん、どうしたんですか？』

「あぁ、少し頼みがあるんだ」
─────────────────────
『関さん！私のでよければどうぞ使ってください』

「あぁ、ごめんな急に。助かるよ」

そう。関さんは傘を忘れてしまい、私に貸してほしいと電話をくれたのだ。もう、この人はなんて可愛い爆弾投下するんですか？可愛さにキュンキュンしながら

『いえ！関さん風邪ひかないでくださいね』

「はは、ありがとうA」

はい！と返事をしようとしてふと気づいた。今関さんいや、大輔さんが…名前を呼んでくれた！嬉しすぎて顔が赤くなっていくのを感じていると彼も気づいたらしく

「あ、ごめん。まだ職場だったな」

『いえ！えっと…嬉しいです』

「そうか。俺も久しぶりに呼べた気がするよ」

と、私に釣られたのか少し顔が赤い関さんがはにかみながらもう一度「行ってくるな」と言って歩き出した。

『行ってらっしゃい！』

と大きな声で見送るとこちらを振り返り片手を上げて笑ってくれた大輔さん。

雨は気持ちをどんよりとさせダルさを運んでくるが、彼の笑顔を見ているとそんな気持ちはどこかに行って、頑張ろうと元気が出てくる。雨はまだ止みそうにないが、私の心は快晴が広がっている。

day3【朝霧司】※司さん目線→←day1【青山樹】

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