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yuki side
『祐希くんっ!』
祐希「Aどうした?」
『ベンチ隣に座ろうかなーと思って』
祐希「いいよ、一緒に行こっか」
『やったぁ』
普段は監督の隣に座ってるAだけど
俺が腰を痛めてしまってからはこうやって声をかけてよく隣に座ってくれるようになった
『早く祐希くん試合に出てくれんかなぁ』
祐希「それはもうちょい待ってて笑」
『分かっとるんけどさぁ、見たいよね』
祐希「ベンチの俺はかっこよくない?」
『かっこいいよ。でも世界のISHIKAWA不足になりそう』
祐希「なんだそれ笑」
試合直前までおちゃらける余裕があるAは緊張ってものを知らないのか不思議に思う
試合開始のブザーがなったら真剣な表情でアナリストの経験を発揮して指示出ししたりするんだけどね
ポッロ「相変わらずユウキと仲良いね」
『ポッロ!当たり前でしょっ!あなたより一緒にいる時間長いもの』
ポッロ「ずるいな〜」
『貴方とだって仲良いじゃない笑』
オスニエル「ユウキとAは特別だからなっ!」
祐希「おいっ!」
ピアノ「ふざけてないで行くぞ?笑」
『みんな最高のプレー期待してるね!』
チームメイトから頭を撫でられてベンチに座り直す
前に俺が1回やったらみんなやり始めたんだよね
Aは人当たりがいいし、昔からイタリア語が喋れてたからチームのみんなと仲良くなるのも時間はかからなくて
今ではチームメイトからもチームのファンからも大人気
そのおかげかみんなAの頭をすぐ撫でるようになっちゃったんだよね
イタリア人は距離の詰め方が上手いし、グイグイ行くタイプの人が多いから、嫉妬心がバレないようにするのに一苦労
祐希「A頭撫でられすぎ」
『なに急に笑』
祐希「危機感持って欲しいよね〜ほんと」
『ポッロたちだよ?危機感も何も……』
祐希「Aはもっと自分が可愛いってことを自覚した方がいいよね」
『えっと……ありがとう?』
祐希「褒めてない」
『え、今褒めたじゃん』
祐希「褒めてない」
『絶対褒めたー!』
祐希「あ、もう試合始まるよ?」
『もぅ、』
祐希「今日の試合もよろしく」
『あったりまえ。今日も勝たせるよ』
ああ、悔しいな。
Aの目線が俺からコートに向けられる
早く怪我直してもっと強くなって
俺から目離せないようにしてやるんだから
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作者名:林檎うさぎ | 作成日時:2023年12月23日 18時