マルチリンガル姉さん (ページ31)

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#14 ページ31

yuki side

俺の最近の悩み聞いてくれる？

それは一向にAがタメで喋ってくれないこと

そんな悩みか、とか思ってる人いる？いないよね？←
関西弁が混じった喋りをするAはただでさえ人当たりが良くてモテるのに、頭がキレて、運動神経抜群で、スタイルが良くて、おまけにに美人ときた

そんな彼女と仲良くなって近づきたい人なんてもうめちゃくちゃいるわけで

あーほら。
ベンチにいるAはまた練習スタッフから連絡先聞かれてるし

あぁ、もう、その笑顔禁止だって。
男の顔みてよ。あんなゆるゆるな顔して
みんな貴方に惚れちゃうでしょ

これが毎日のようにあるから
俺みたいにAに気がある人も少なくないはず

だから、頑張って俺もアピールとかそんな積極的にとか柄じゃないけど頑張ってるつもりなんだよね

というわけで周りの人達からリードするためにはそろそろタメにしてもらいたいわけなの

前から言ってるはずなのに、なかなかタメにしてくれないAさん、どうしたらいいのかね

ため息までついてしまう俺は重症だよな

感傷的になっているとベンチの荷物を整理し終わったAがクールダウン中に駆け寄ってきて隣に座って来てくれた

『祐希くん、お疲れ様です。ちゃんと体休めてますか？』

祐希「うん、大丈夫だよ。ありがとう」

『ホントですか？なんか今日浮かない顔しとったから休めてないんかなって思ったんですけど……』

祐希「あー悩みならあるかも」

『えっ……！なに！早急に解決しましょ！』

なんで早く言ってくれないんですかっ！ってポカポカ叩いてくるAはまじで誰よりも可愛い

さっきまであんなに負の念を抱いてたのに吹き飛んだわ

祐希「あぁ大したことじゃないんだけどね？」

『言ってください！』

祐希「Aっていつタメで話してくれんのかなって」

『へっ……？』

"？"が頭の上に見えるよAちゃん
そんな不思議な顔しなくたっていいじゃない