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#3 ページ3








これは、夢か現実か?







あんまり物のない、すっきりした広い部屋。

テーブルには、見た目抜群の出来立てのパスタ。

目の前には、テレビでしか見たことない

ジャニーズのアイドル。







「ほれ、君も食べへんと冷めるで?」

テレビで見たまんまの笑顔の桐山くんは、

めっちゃ美味しそうにパスタを食べながら

昨日の話をしてくれた。







...どうやら、わたしはいろいろと大失態を犯して

今ここに至るらしい。







昨日1人で飲み始めて4軒目の店に辿り着いたのは

確か22時を過ぎた頃。

こじんまりした隠れ家っぽいバーを見つけて、

カウンターで1人で濃いめのハイボールを

3杯くらい頼んだところまでは記憶がある。

桐山くんが言うには、その後わたしはカウンターで

酔い潰れてそのまま寝てまって。

マスターが起こしてくれたらしいけど全然起きず、

店の片付けがまだ残っとる上に

お嫁さんが家で待つマスターは困り果てて。

で、閉店まで唯一店に残っとった

常連の桐山くんに、わたしのことを

何とかしてくれとお願いしたらしい。

で、結局名前も家もわからへんわたしを

放っておけず、桐山くんは見ず知らずのわたしを

家で寝かせてくれた、と。







『...ほんま、ごめんなさい...』

「え、何で泣くん!?泣かへんでもええやんか!」

『いや...もう桐山くん優しすぎるし、

わたしアホすぎるし不甲斐なさすぎるし...』

「そんなんしゃあないって、何かあったんやろ?

たまには人に甘えなあかん時もあるよ」

『それにしても酷すぎるわたし、

ほんまごめんなさい、何てお礼を言ってええか...』

「もうええからとりあえず食べな!

元気出えへんで、な!」







「もう泣かへんの」ってティッシュを差し出して

微笑んでくれる桐山くんが、

何かもう天使に見える。

テレビで見とったよりずっとええ男やんか、

びっくりするわもう。

神様もちょっとはわたしに

味方してくれる時やってあるんや...







泣きながら食べた桐山くんお手製のパスタの味を、

わたしは多分一生忘れへんと思う。







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設定タグ:ジャニーズWEST , 桐山照史 , 濱田崇裕   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:りり | 作成日時:2017年6月23日 21時

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