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＊
...何か、いい匂いがする。
顔に光が当たっとるみたいであったかくて、
ちょっと風が吹いとって。
それに乗って、いい匂いがする。
『...ん...』
「...あ、起きた？
おはようさん、もう11時やで、よう寝たな。
これ、もう完全にブランチやな」
『...』
「あ、勝手に作ってもたけど食べれる？
昨日、飲んでばっかであんま食べとらん感じ
やったで食べた方がええかなと思って」
『...ひる、なん...です』
「...お、俺のこと分かってくれとる？
名前はヒルナンデスちゃうけどな」
『...奥さん、やない...』
「え、よう見てるやん！
奥さん言う方は俺の相方やで、淳太くん」
『...じゅんた、くん』
「俺は淳太くんやないけどな？」
『...えっと、き、桐山くん』
「あ、分かっとるんや！
なら話は早いなあ、桐山照史やで、よろしく」
...ジャニーズWESTの、よく喋る男の子。
確かわたしより2つ歳上。
さすがに関西にずっと住んどるから
わたしでも分かる。
あれ、この人出とるんって木曜日やったっけ。
今日って木曜日なんかな、一体何曜日？
てか何で奥さんの方、一緒におらへんのやろ。
もう12時過ぎたとか1日の流れは早いなあ。
...って、え、違う。
テレビの中やないやん。
動いてるやん、わたしの目の前で。
いや、待て、わたし会話したやん。
え、桐山くんやんな、え、何でここにおんの？
慌てて起き上がって周りを見ると、
見たことのない部屋の見たことのないベッドで
わたしは寝とった。
ベッドの側にはわたしのバックパック。
それ以外のものには...全く見覚えがない。
...待て、わたし、昨日何やった？
「君な、昨日俺の行きつけの店で潰れてんよ。
で、マスターが何とかしてくれんかって
偶然店来てた俺に君のこと任せてきてな？」
『...』
「家まで送ったろって思ったんやけど、
何せ寝ててもう喋れへんし。
女の子外に放り出しとく訳にも行かへんから、
とりあえず俺の部屋に連れて帰ってきたんよ。
...あ、何もしてへんから安心してな！？」
...ちょっと待て、おかしいぞ。
わたし、今、アイドルの部屋に、おる？
＊
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作者名：りり | 作成日時：2017年6月23日 21時
